「銀行戦略」

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三菱UFJ:1334億円をインドネシアの銀行に出資-将来は子会社

3段階での出資、最終的に73.8%の保有目指す
同国第5位の商業銀行、高い成長力取り込みへ

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱東京UFJ銀行は、インドネシアのダナモン銀行に段階的に出資し、将来は筆頭株主になることで合意した。

三菱UFJ銀の発表によると、シンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスの関連会社が保有する株式を3段階で取得する。第1段階で株式19.9%を15.9兆ルピア(発表資料によると1334億円相当)で買い取り、当局の許認可が出てから第2段階として40%まで買い増す。第3段階では、さらなる許認可取得を条件として73.8%以上の保有を目指す。第2段階は2018年第2-3四半期に実施する見込みで、第2・3段階での取得価格は未定だとしている。

日銀のマイナス金利政策の影響で国内事業が厳しい環境に置かれる中、三菱UFJ銀はダナモン銀行の子会社化でアジア地域を中心とした海外事業の基盤強化を推し進める。三毛兼承頭取は10月のインタビューで、海外M&Aの戦略ではインドネシアやインドを中心に過半数取得を意識して検討していると述べていた。

ダナモン銀はインドネシア第5位の商業銀行で、三菱UFJ銀はインドネシアの高い成長力を取り込むとともに、アジア地域に進出する顧客に幅広いサービスを提供する事業基盤の確立を目指すとしている。

26日夜に電話ブリーフィングした三菱UFJ銀国際企画部事業戦略グループの川野浩史次長は、今回の出資がアジア戦略として「極めて重要かつ戦略的意義の高い案件」だと語った。

外資規制

インドネシア政府は、外資による出資を4割までに規制している。同国の金融サービ庁(OJK)の銀行監督責任者ヘル・クリスティヤナ氏によると、出資規制は原則であり、「当該銀行の事業が、インドネシア経済に多大な貢献ができると証明できる場合」には例外扱いとする可能性もあると述べていた。

三菱UFJ銀は12年にベトナムのヴィエティンバンクと資本・業務提携を結んだほか、13年にタイのアユタヤ銀行を子会社化、昨年はフィリピンのセキュリティバンクの発行済み株式約20%を取得している。

川野次長は「アジア戦略はインドネシアをもって集大成」とすると述べ、当面はこれら4カ国で事業展開していく考えを示した。

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