「やっぱりこの程度か」

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希望の党の安全保障政策がぶれ始めている。安全保障法制の実質的容認を公約に掲げて衆院選を戦ったにもかかわらず、樽床伸二代表代行は民進党の安保政策と矛盾しないという見解を公然と示した。

現行法制を違憲だと訴える民進党の主張は、希望の公約と明確に乖離(かいり)している。選挙が終わったとたんの「先祖返り」は、有権者を愚弄するに等しい。

衆院解散を受けて希望から出ることになった民進党出身者は、10項目からなる政策協定書に署名した。いわゆる「踏み絵」だ。安保に関しては「現行の安保法制は憲法に則(のっと)り適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安保政策を支持する」とある。

しかし、樽床氏は25日の両院議員懇談会後の記者会見で「協定書の中身は民進党の方々の考え方と齟齬をきたさない。(懇談会で)確認した」と明言した。

樽床氏が根拠にしているのは、「憲法に則り」「不断の見直し」という部分だ。総会後、民進党出身の今井雅人衆院議員は記者団に「『変節した』『筋を曲げた』といわれるが、協定書をよく読むとそんなことはない。合憲の範囲で運用し、後は見直しをしていくと書いてある」と得意げに語った。

ただ、協定書が明確に「現行の安保法制」を前提としている以上、白紙化を唱える民進党と「一致している」(樽床氏)というのはさすがに無理がある。

一方の小池百合子代表(東京都知事)は26日、協定書の内容に関して記者団に「そのまま読んでいただければその通りだ」と述べて、現行の安保法制を容認していると改めて強調した。

希望の党の民進党出身者の中には、平成27年7月の安保関連法案の衆院委員会採決の際、「強行採決反対!!」のプラカードを掲げ抗議した者もいる。

今回の衆院選で、民進党出身者は同党での主張を一時的に封印し、当選すると、「選挙で戦った全ての方々の思いと協定書は一致している」(樽床氏)として希望の公約を意図的に玉虫色に解釈しようとしているとみられても仕方がない。

樽床氏は記者会見で「より具体的なことは今後、政調で深めていく」とも言い切り、協定書に関する質問を早々に打ち切ろうとした。希望はまさに「第2民進党」になりつつある。

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