比例の投票先に「民進党はない」

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民進党は「党としては存在」している。【事実上の解党】には違いないが、実際に解党したわけではない。

衆院選での【届け出政党ではない】ことは、【比例での投票はできない】ことを意味する。前原代表が言っているのだから、そうなのだろう。
 
比例の投票先に「民進党」はないため、投票することはできない。
間違って投票する方が大勢おり、それが「一議席分」になったとしても、議席となることはない。
「民進党の比例議席」は、誕生しないのだ。
 
なんで民進党の議員たちがここまで大騒ぎしているかと言えば、これが全てである。

小選挙区で勝てる者は、極一部である。
基本的には「比例復活」であり、惜敗率がどうなるかで政治生命が決まる仕組み。
 
確かに、政党としては民進党は残る。
どうにかこうにか、民進党から出馬することは、可能なのかも知れない。
ただし、「民進党から出馬」しても、【比例の議席】が存在しない。
 
当たりクジの入っていないクジを、黙々と引くようなもの。
 
そもそも「比例議席」の話。

小選挙区での勝利は、そもそも諦めている方も多かったように思う。

だが、「惜敗率さえ!」と狙い、「善戦すれば、国会に戻れる」と思っていた彼等から【比例議席を取り上げた】者がいる。

前原代表だ。

ほぼ独断で決めてきたことだが、前原氏だってある意味では「仲間を思ってのこと」だと思う。
そもそも「民進党も、両院総会で賛同した」のだ。
 
希望と一緒になれば「比例議席が増える」と考えたからだろう。
クジを引く際に”当たりの本数が増える!”と思ったから、希望との合流に乗った。

それが民進党議員が、合流に賛同した理由ではないか?
あとは、小選挙区を上手く戦えば、連合の基礎票を手堅く固めれば、「復活できる」と思ったのだろう。
 
これは、実は、希望側も同じだ。
比例議席を頼りにすることとなろう。
ならば、「連合の基礎票」に期待する。
民進党と協力したかったわけではなく、「連合を味方につける」ことが狙い。

そのメッセンジャーとされたのが、前原氏では?
 
民進党の議員は「ブレてない」

果たして、民進党は滅びた。
届け出政党ではない以上、連合が民進党を推すことはない。

これは、参議院も含め「壊滅」であり、社民クラスまで徐々に弱体化するだろう。
 
連合は、「これだけ票を集めた」という数の力を示すことで、自らの存在意義を示す組織だ。共産党や公明党は、政党であるため、単純比較はできない。

連合は、【選挙での力】で、発言力を保持してきた。
彼らは、

解散があるのに「選挙をしないわけにもいかない」存在である。
比例での投票ができない民進党を、連合は推すことは、「制度を鑑みるに」あり得ないように思う。
 
希望の党は、かなりの議席を獲得するだろう。
連合の票が、ほぼ間違いなく乗るからだ。

民進党の議員は、「比例の議席」狙いであったゆえに、群がっているのだろう。最初から最後まで、徹頭徹尾、ブレていない。
 
憲法改正や、安全保障など、政策を翻したとの批判もある。
私も同意する。だが、彼らが「ブレた」とは思っていない。
 
民進党の議員は、「連合さん、よろしく!」という主張で生きてきているように思う。

そして【比例議席が欲しい!】【喉から手が出るほど欲しい!】という部分が、一丁目一番地にある。この部分は、まったくブレていない。
 
時間は、残酷。公示まで10日

彼らは、欲をもってしまった。
「減少はするが、比例議席を分け合う安定の選挙」から、
「大きく比例議席をとり、みんなで生き残る道」を選択した。

蜘蛛の糸は、切れた。
 
そして、彼らは「初めての選挙」を戦う可能性がある。
連合頼み、組織頼りではない、自らの足で稼ぐ選挙。
他人ではなく「自分で」戦うのだ。
 
その際には、リーフレットや名刺、ポスターなどが武器になる。
その全てが、ない。

準備していた方も「民進党」というブランドが使えないため、やり直しである。
 
そもそも論になるが「必要なのは、今」なのだ。
公示に入れば、リーフレットは使えない。
標章つきの一部であり、公選葉書のみとなる。
(三種郵便などの例外もある。)
公示まで10日を切った。
この、「残り10日」が、本当の勝負。
 
この勝負で使うのが「名刺」であったり、「リーフレット」なのだ。
公示の日に届いても意味がない。
時は無情に過ぎて行く。
公示まで、10日を切った。
これでは、何もできない。
 
以下は、読売の記事。
このタイトルは、彼等からすれば「悪意がある」との指摘もあろう。
流石、保守の読売である。パンチが効いている。
 
「ゴミが届いた」民進本部からポスター600枚
 
希望の党に合流することになった民進党。
衆院選(10月10日公示・22日投開票)で、長野県内の5陣営は「希望の党」公認での立候補準備を進めているが、公示を前に、ポスターやチラシなどの作成で頭を悩ませている。

「ゴミが届いたようなものだ」。ある立候補予定者の秘書は29日、前日に党本部から送られてきた600枚のポスターを前にこぼした。ポスターには「民進党」の文字と前原代表の写真が入る。別の陣営では、合流方針が明らかになる前の27日夜に発注した、3000枚以上の選挙ポスターの印刷を急きょ取りやめた。秘書を10年以上務める男性は「こんなことは初めて。参りました」と頭を抱えた。

各陣営は、希望の党の公認が決まらないため、ポスターなどを作り直そうにも、発注できない状況だ。29日には、希望の党の小池百合子代表が公認申請について「全員を受け入れるつもりはさらさらない」と語り、陣営には「無所属」での出馬への不安も募る。

別の立候補予定者は街頭演説で、あえて「民進党」と書かれたのぼり旗を立てている。「立てるものが何にもないのも変だから」と苦笑いした。
 
すでに、現時点で届いていないといけない武器。
先ほどの塩村・元都議などには私は同情的。
準備してきたのに、いい迷惑だろう。
 
印刷物には、時間がかかる。

ポスターは、公示日から掲示されるのだが、実は印刷に時間がかかる。
前述したが「ユボ紙」での印刷。雨が降っても大丈夫なもの。
私は、政治家にしてはDTPに詳しいほうだと思うが、印刷工場も見学した。機械全般が好きなのだ。

少し乱暴な説明だが、油性の塗料で、うーん、油絵でポスターを作るようなもの。

水に強い代わりに、「乾燥時間」が必要。
恐らく、希望の公認を得たとしても「間に合わない」ように思う。
印刷設備の数にも限りはあるし、いまからユボ印刷で大量に作るのは、生産ラインと工程の問題で難しい。
 
混乱の、地方支部
大混乱である。

選対本部長に至っては「自民党や共産党の候補のマイクを握る」とまで。
安住氏は、公認を落とされたと聴く。

その安住氏が県連会長なのが、また興味深い。

「地方議員は使い捨てか!」と女性県議が怒鳴れば、安住県連会長は「文句を言うな。使い捨てにされるのはわれわれ候補者だ。公認を外されたんだぞ」と声を荒らげる。

本人たちの状況を考えれば、わかる、気持ちはわかる。
だが、ちょっと笑ってしまった。
 
<衆院選宮城>「私たち地方議員は使い捨てか」民進県連幹事会、荒れ模様
 
小池百合子東京都知事が率いる新党「希望の党」への合流方針を巡り、民進党宮城県連が30日に仙台市青葉区のホテルで開いた幹事会は衆院選(10日公示、22日投開票)の立候補予定者や地方議員の不満が一気に噴出した。希望からの公認見通しが立たないことへのいら立ちも相まって、協議は荒れ模様となった。

「(合流には)納得できない。私たち地方議員は使い捨てにされるのか」。非公開で行われた幹事会で口火を切った女性県議は「こんな政党なら出て行く」と怒りをぶちまけた。

宮城5区に立候補予定の安住淳県連代表が「文句を言うな。使い捨てにされるのはわれわれ候補者だ。公認を外されたんだぞ」と声を荒らげて応戦。周囲が「腹を立てているのは全員同じだ」と2人をなだめたが、女性県議は開始約20分で部屋を飛び出した。

民進が擁立を予定していた宮城1~5区の一部で、希望が候補の差し替えを検討していることにも議論が及んだ。

選対本部長の桜井充県連代表代行は「(民進の)公認候補を差し置いて希望が候補を立てるなら、私は自民党や共産党の候補のマイクを握る」と不快感をあらわにした。

一方、安住氏は「『こんなことが許されるのか』との思いはあるが、(前原誠司)代表と小池知事の協議を待つしかない」と冷静に話した。

幹事会終了後、記者会見した安住代表は「激動の1週間だった。どうなっているのか心配している人は多い」と語り、怒号が飛び交った状況については「マイクがなかったから大きな声を出さざるを得なかった」と取り繕ってみせた。
 
<衆院選宮城>「私たち地方議員は使い捨てか」民進県連幹事会、荒れ模様

小池百合子東京都知事が率いる新党「希望の党」への合流方針を巡り、民進党宮城県連が30日に仙台市青葉区のホテルで開いた幹事会は衆院選(10日公示、22日投開票)の立候補予定者や地方議員の不満が一気に噴出
 
 宮城県は、仙台の市長選挙において、民進党が制した。
まさに勢いがついたところであり、民進党の反撃の拠点。
第二の沖縄のようになるのでは?との危惧もあった。
 
なぜならば、宮城のみならず、東北全体で見た場合、「仙台の人口は突出」している。

近隣も含め、選挙には凄まじい影響を与えることとなる。
党勢が没落していく民進党にとって、新規に構築されつつあった橋頭保だった。

宮城に関しては、安住氏も含め「戦える選挙区」だった。
そもそも安住氏は、実は選挙に強い。
地盤が少し左寄りというのもある。
 
前原さんの「決断」は、本当に迷惑だったろう。
宮城県連(民進)は、戦う力があったのだから。
 
全国で、大混乱。
 
公示まで10日を切った。
出馬予定の政党が、届け出を行わず、
準備していた名刺やリーフレットは「封じられた」。
現職復帰を目指し、準備していた浪人生はいい迷惑だろう。
 
出馬する政党は、いまだ決まらず、
印刷を発注することも敵わない。
ポスターも時間がかかるが、名刺やリーフの納期もかかる。
 
公示まで10日。
「実際の戦い」は、すでに始まっている。
開戦前に、空母が自沈、
さぁ撃つぞと思ったら、司令部判断で、突然の武装解除。
 
しかも「選抜」され、「排除」される。
たまったものではないだろう。
 
リベラル層は、投票先すら存在しない。

いまさら新党を立ち上げても「浪費した時間」は、戻らない。
新党を設立し、ロゴを決めて、印刷して・・・
届いた日が、投票日、みたいな事態もありうる。
左翼議員は、全滅に近い打撃を受けるだろう。
 
当事者にとっての悲劇は第三者から見た場合、喜劇にしかなり得ない。

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