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2017.10.01
カテゴリ:世界が注目
「続々帰国」
中国南東部のさびれた漁村に生まれ育ったウェン・ウェンユアンさんは数年前、数十人の同郷人とともに新しい人生を始めようとアフリカに旅立った。しかし、今年になって帰郷を決意した。
中国からは、民間の起業家や国営企業の従業員など多くの働き手がアフリカに渡っていた。だが、ここ数年はウェンさんのように帰国する人が多く、その数は数十万人に達している。
背景には、アフリカ大陸の多くの国々がコモディティー(商品)価格の下落で打撃を被っている現状がある。
サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、2016年の経済成長率が1.5%という過去20年間で最低の水準にとどまった。今年は南アフリカ共和国が景気後退に陥っている。ヨハネスブルグ近郊でスーパーマーケットを5年間経営した33歳のウェンさんは「景気が悪くなったから帰ってきた」と話す。
複数のアナリストによれば、多くの中国人がアフリカから帰国しており(石油に恵まれたアンゴラからは、過去4年間だけで15万人が帰国したと推計される)、アフリカに住む中国人の数は2013年に100万人だったピークから減少に転じている。
アフリカに渡った中国人の大半は小規模な事業を営んでいるが、国営の請負業者団体である中国対外承包工程商会の調べによれば、国有企業に勤める契約社員の人数も昨年だけで3万2000人減り、現在は23万3000人になっているという。