「偽善」

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山尾議員の不倫疑惑報道とダブルスタンダードの偽善 報道次第で日本の政治が左右されかねない現状には危うさ感じる

山尾氏は「説明責任」を果たさないのか

山尾志桜里衆院議員が、既婚男性との不倫疑惑を週刊文春に報じられた後、「男女関係はない」と否定しながら、民進党を離党した。前原誠司新代表の下、幹事長に就任する人事案もあったが、フイになった。(夕刊フジ)

ネット上で「ガソリーヌ」と揶揄(やゆ)されるほど、山尾氏が支部長を務めた政党支部は「ガソリン・プリペイドカード」を、地球5周分も大量購入していた。山尾氏は「秘書がやった」というが、納得できる説明は聞かされていない。

そのような立場なのに、山尾氏は国会で「器が小さいんだよ!」などと、安倍晋三首相にヤジを飛ばしていた。元検事の割には、冷静沈着とはいえないと思っていた。

今回、そんな山尾氏が軽率な行動で墓穴を掘ったので、正直、留飲が下がった。日本国憲法第38条第1項には「何人(なんぴと)も、自己に不利益な供述を強要されない」とある。山尾氏に「正直に白状しなよ」とはいわない。不倫スキャンダルは当事者が誰だろうと雑談ネタに過ぎず、正直どうでもいい。

日本では著名人の不倫スキャンダルが、政治生命や芸能生命を終わらせる場合がある。だから週刊誌やワイドショーなどは大騒ぎする。

古くは宇野宗佑首相(当時)が、東京・神楽坂の芸妓(げいこ)に月30万円で愛人にならないかと持ち掛けた話をサンデー毎日が報じた。

このときの編集長が鳥越俊太郎氏である。昨年の東京都知事選に出馬した際、鳥越氏自身も女性スキャンダルを報じられた。因果応報なのか。

ちなみに、欧米では不倫の話題は大して騒がれない。フランスやイタリアのような国で、既婚者同士の不倫は日常茶飯事である。結婚や貞操に対する感覚が違うのだ。

米国はそこまでオープンではないが、例えば、ジョン・F・ケネディ大統領とマリリン・モンローの愛人関係を咎(とが)める国民は無粋だろう。

以前は日本でも「英雄、色を好む」は普通だった。昭和の時代、政治家や実業家、作家、芸能人、スポーツ選手などに愛人がいることは公然の秘密だった。

日本人の潔癖症の度合いは、いつの間に上がったのか。週刊誌やワイドショーの報道次第で、日本の政治が左右されかねない現状には危うさを感じる。

私は不倫を肯定しないが、他人を厳しく批判しながら、自分もひそかに同じことをやる「ダブルスタンダードの偽善」こそが責められるべき問題だろう。

マスコミと無責任野党が多用する、この偽善を見抜いて、彼らに右往左往させられないリテラシーを磨くことが、現代人には必要不可欠だと思う。

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