「急成長するインドに媚を売り始めた世界」

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米中の衰退で、急成長するインドに媚を売り始めた世界

なぜインドは米国より仲の悪い中国と組むことを選んだのか?
クラウドにデータを保管したくない企業の選択肢は?  

これまで世界経済を牽引してきた国々が軒並み青息吐息となる中、次なる経済大国として注目を集めるインド。現在はGDP世界第7位ですが、10年後には第3位の日本を抜き去るのではないかと目されています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で世界情勢に詳しい北野幸伯さんが、インドと日米露中との関係について、複雑に絡み合う各国の「思惑の糸」をほどくが如くわかりやすく解説しています。

愛されるインド、なぜ日米、中ロと同時に仲良くできるのか?

アメリカのトランプ大統領とインドのモディ首相が、初めて会いました。二人は、かなり仲良しになったそうです。
新たな「ブロマンス」? 初の米印首脳会談で友好関係を演出

【AFP=時事】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領とインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は26日、米ホワイトハウス(White House)で初の首脳会談を行った。
 
直後の記者会見では、報道陣の前で何度も抱き合うなど「ブロマンス」(ブラザーとロマンスをかけた造語)と言える親密ぶりをアピールした。
トランプさんは、「感情が素直に出てしまう」ことで知られています。

握手した安倍さんの手を離さなかったり。メルケルさんとの握手を拒否したり。モディさんと、「何度も抱き合う」というのは、よほどのことです。

何はともあれ、トランプさんとモディさんで、米印関係は良好。
長年同盟関係にある国の一部とは前途多難なスタートを迎えたトランプ氏だが、モディ首相とは初対面から意気投合したようだ。

日米、中ロと仲がいいインド

「米印関係は良好」

そして、皆さんご存知のように、日本とインドの関係もとても良い。さらに、インドは、プーチン・ロシアとの関係もいい。中国との関係は、日米ロほど近くはない。それでも中印共に、関係が改善されるよう、努力しています。その証拠に、先日「歴史的」とも言える出来事がありました。
インドとパキスタンが上海協力機構に正式加盟

【AFP=時事】カシミール(Kashmir)地方の領有権をめぐり対立しているインドとパキスタンが9日、中国とロシアが主導する安全保障会議「上海協力機構(SCO)」に正式に加盟した。カザフスタンの首都アスタナ(Astana)で開かれた年次首脳会議で、両国の加盟が承認された。

皆さんご存知のように、SCOは、中国とロシアが主導する、「世界の多極化を推進するための」組織です。別の言葉で、「アメリカの一極支配をぶち壊すための」組織。それで私は、SCOを「反米の砦」と呼んでいます。

「反米の砦」にインドは入った。つまり、インドは、中国、ロシアと良好な関係にある。そして、もっと驚くべきことに、「反米の砦に入っても」アメリカと良好な関係にある。なぜ、そんなことが可能なのでしょうか???

インドに近づくため「競争」する大国

過去と現在のアメリカ、未来のインド

私たちは現在、「日本には尖閣ばかりか沖縄の領有権もない!」と宣言している中国の脅威に晒されています(必読証拠はこちら→「反日統一共同戦線を呼びかける中国」)。

それで、日本は、同盟国アメリカとの関係を、より強固にしていかなければならない。これは間違いありません。

しかし、アメリカは、「国家ライフサイクル」で、今後衰えていく運命にある。年を経るにつれ、「頼りない同盟国」になっていく。それで日本は、アメリカとの関係を強固に維持しながら、「次の同盟国」を考えておく必要があります。

そして、「日本の同盟国にすべき国」といえば、間違いなくインドでしょう。日米印が一体化していれば、中国の暴発を抑えることは可能です。日本政府は、アメリカ、インドとの関係強化を「最優先課題」とし、熱心に取り組んでいただきたいと思います。

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