「既得権益者が敗北した日 」

画像の説明
6月24日、安倍総理は神戸市内のホテルで開かれた神戸「正論」懇話会で講演し、「加計学園」が国家戦略特区による獣医学部開設を計画している件について「規制改革推進の立場から、速やかに全国展開を目指す。

地域に関係なく2校でも3校でも意欲あるところは新設を認める……1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった……規制改革推進の立場から、速やかに全国展開を目指す」と述べ、愛媛県の今治市以外にも、獣医学部新設を認める考えを明らかにしました。

また、安倍総理は「私の友人だから認めてくれ、という訳の分からない意向がまかり通る余地など全くない。プロセスに一点の曇りもない」と述べていますけれども、「加計学園」問題は、所謂、既得権益と規制改革とのバトルであったことが明らかになりました。

その中で、既得権益側に回った文科省が改革派に押された挙句に作った内部メモを漏らし、それに火をつけようと野党民進党とマスコミが乗っかった結果、自爆したという事ですね。

何せ、「総理の意向」文書は、その場に同席していない官僚が勝手に作った個人メモだったというのですから何をかいわんや、です。

既得権益側と文科省が問題だったと明らかになるにつけ、安倍政権を叩く側は徐々にトーンダウンして自己防衛に入りつつあるのですけれども、それも今一つというか自爆気味です。

加計学園の獣医学部設置について、昨年の4月に内閣府に「省庁を説得してほしい」と要請していた民進党たかし議員が、自身の過去のブログを全削除していたことが明らかになっています。

御丁寧に保存サイトからも見れないように設定しているらしいのですけれども、今のネット社会でそんな小細工は殆ど意味がありません。たちまちのうちにキャッシュから掘り起こされ、公開されていたりします。

これは日本獣医師会も同じです。

昨年11月の国家戦略特区の諮問会議で、獣医学部新設の方針が決定され、「広域的に獣医学部のない地域に限り新設を認める」との条件が会議直前に付け加えられたのですけれども、これについて6月22日、日本獣医師会の北村直人顧問は、「国に要請したことは全くない……『広域的に』との文言が入ったことは青天の霹靂。『加計ありき』でこの文言ができたと感じた」とコメントしました。

「日本獣医師会のロビー活動」のエントリーで取り上げましたけれども、日本獣医師会は自身のメルマガで、政府に一校に限るよう要請していることを公言しています。それを此処にきて引っ繰り返した訳です。

今回の安倍総理の「獣医学部新設の全国展開を認める」発言も、おそらく、この獣医師会の態度豹変を受けてのものだと思われます。国に要請していないというのなら、今治以外に新設を認めても異議ないよな、ということです。

民進党の高井議員にしても、日本獣医師会にしても、既得権益側にいると見られる事を嫌がったということなのでしょうけれども、何故、既得権益を守る事が公益に資することになると言えないのか。

獣医師学部新設はこんなデメリットがある。今のまま新設を認めない方がずっと良いのだ、と説得力を持って主張すればよい筈です。

それが出来ず、自分は既得権益側ではないと逃げた時点で、この問題は勝負あった、とすべきだと思いますね。

日比野庵

コメント


認証コード6430

コメントは管理者の承認後に表示されます。