「踏み絵」

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北朝鮮ににじり寄る文在寅政権に「踏み絵」迫った金正恩氏 韓国を制裁も?米国で高まる対韓警戒論

朝鮮半島で6月15日は、2000年に当時の金大中(キム・デジュン)・韓国大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が初の南北首脳会談を開いた記念日だ。

この際、署名した共同宣言で、金大中氏が金日成(キム・イルソン)主席のかつての統一案を事実上認めたため、「6・15」の評価は、“親北度”を測る符号となってきた。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「6・15」を記念した南北共同行事を“民間レベル”で復活させる計画を後押ししてきた。だが、北朝鮮は文政権を試すように次々要求を出したため、計画は9日、時間切れで雲散した。文政権の危うい対北対話路線はとりあえず頓挫したが、こうした試みを米国は厳しい目で見ているようだ。

政権発足1カ月の文政権では、「南北連絡通信網、南北ホットラインは再開すべきだ」(大統領府の鄭義溶=チョン・ウィヨン=国家安保室長)、「5・24独自制裁(哨戒艦撃沈事件を受けた貿易や投資の禁止措置)は再整備が必要」(文正仁=ムン・ジョンイン=統一外交安保特別補佐官)など、対北政策見直し論が出ている。

そんな中で、韓国統一省は先月末、民間でつくる「6・15」共同行事の韓国側実行委員会が申請した北朝鮮側との接触を承認し、人道支援団体や宗教団体の対北接触も矢継ぎ早に許可した。北朝鮮が連続でミサイル発射を強行し、国際社会が対北制裁一色の中、韓国の対応は異質だ。

しかし、韓国政府は「国際社会の対北制裁の枠組みを損なわない範囲内で民間レベルの交流を進める」(統一省)としており、米国からは「文政権とトランプ政権は、対北政策をめぐり衝突する可能性がある」(米議会調査局報告書)といった懸念も出始めた。

6・15共同行事で、韓国側実行委は、金大中・平和センターや盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団などから約100人を訪朝させる計画を立て、明らかな政治メッセージが含まれていた。

文政権の足元を見た北朝鮮は、まず開催場所として韓国側が提案した開城(ケソン)市を拒み、平壌を指定。韓国側が受け入れる意向をみせると、韓国政府が「国連の対北制裁に同調している」ことを問題視し、他の民間団体の訪朝を拒否した。

さらに朝鮮労働党機関紙、労働新聞が、韓国政府に「6・15共同宣言と10・4宣言を尊重して履行する意思があるのか」(6日付)と詰め寄った。

「10・4宣言」とは、2007年に当時の盧武鉉大統領と金総書記の首脳会談で合意した共同宣言のことで、実現には15兆ウォン(約1兆4700億円)に及ぶ支援が必要とされる。北朝鮮は、明らかに文政権の足元をみて揺さぶりをかけたわけだ。

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