「嫌な奴」

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前川喜平氏の座右の銘は「面従腹背」…それが文教行政トップのセリフか

面と向かってはこちらの意見に従いながら、陰に回って不平や非難を言うようなことはするな。中国神話に登場する伝説の君主、舜(しゅん)は、後継者で夏王朝の始祖となる禹(う)にこう説いた。徳をもって理想的な仁政を敷いた「聖人」らしい言葉である。

▼万人が聖人君子になれるわけではないが、これはあんまりではないか。
「私、座右の銘が『面従腹背』なんです」。学校法人加計学園の獣医学部新設計画をめぐり、退任後に首相官邸批判を始めた前川喜平・前文部科学事務次官が1日、テレビ朝日番組で言い放ったセリフである。

▼仮にも文教行政のトップとして、子供たちに学問の意義や人の道を教える立場だった者が言うことだろうか。この人が出会い系バーに足しげく通い、「女子の貧困調査」と称して少女たちに小遣いを渡していたことも明らかになっているが、今度こそ心底あきれた。

▼「役人の心得として面従腹背の技術、資質は持つ必要がある」。前川氏はこうも得々と語り、独自の吏道論を披露していた。文科省特有の文化・体質なのか。小欄は他省庁では、政治家や上司にも堂々と反論し、煙たがられながら首脳にまで栄達した官僚を知っているが。

▼文部省(当時)で前川氏の上司だった加戸守行・前愛媛県知事は5月31日付の愛媛新聞インタビューでこう嘆いた。「(前川氏は)『行政の在り方がゆがめられた』と言っているが、その前に獣医師不足を解決できていない文科省の態度を反省すべきだ」。

▼「圧力は一切ない」と明言する安倍晋三首相自身は周囲にこぼす。「私が文科省に指示するんだったら、役人じゃなく直接大臣に言うよ」。なるほど第2次安倍内閣以降の歴代文科相は、3人とも首相と同じ派閥の仲間である。

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