「毎度のこと」

画像の説明
ブーメラン発動…公約はや破綻、文大統領の高官も次々“5大”不正、支持組織も見返り要求

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が指名した首相、外相候補の家族らが、実際の居住地とは別の場所に住所を移す「偽装転入」をしていたことが分かり、韓国社会で論議を巻き起こしている。

文氏は大統領選の公約で「兵役逃れ」「不動産投機」「脱税」「論文盗作」「偽装転入」の「5大不正」に抵触した人物は高位公職者から排除すると宣言していたからだ。

「自らの公約を就任直後に破った」(中央日報)事実は、「守れないことを約束することは『現実を知らない』ということだ」(朝鮮日報)と冷ややかな指摘を受けている。

■外相候補の長女は米国籍 「偽証」問題も

偽装転入の疑惑が持ち上がっているのは、李洛淵(イ・ナギョン)首相候補、康京和(カン・ギョンファ)外相候補、キム・サンジョ公正取引委員長候補の3人。

李氏は24日、教員の妻が、ソウルの希望する学区に赴任するため住所を移していたことを認め、「恥ずかしい」と陳謝した。

康氏は、米国の学校に通っていた当時高校生の長女が、韓国の康氏の母校(梨花女子高等学校)への転校を希望したため、「親族の家に偽装転入した」と国会の人事聴聞会で説明した。

しかし、その後、親族の家は校長の自宅だったことが分かり、康氏には偽証の疑いも持たれている。

米国生まれの長女が韓国籍でなく米国籍を選択したことも取り沙汰された。

祖国愛どこ…

康氏の長女のケースについて朝鮮日報(日本語電子版)は、「(偽装転入が)不動産投機目的でもなく、成人になってから米国籍を選択したことも親が口出しできない時代だ」と一定の理解を示す一方、「国際社会の中で韓国の国益を確保すべき外交部長官(外相)にとってこうした状況が適切かどうかという議論はあり得る」と指摘した。

「5大不正」には抵触しないものの、国家情報院長に指名されているソ・フン氏は民間企業から毎月約100万円の顧問料を受け取っていたことや不動産賃貸業も営んでいた“ビジネスマン”であることが判明し、当惑を広げている。

文氏は29日、「野党議員と国民にはどうか理解をお願いしたい」と人事案を撤回する考えはないことを表明。

各紙とも、高官人事をめぐるこれまでの与野党の政争に閉口しているのか、人選のやり直しまでは求めていないものの、「今の与党も完全なブーメランに見舞われている」(朝鮮日報)と皮肉った。

■文氏支持団体は見返りを要求…利権政治は共通
文氏の“身内”への対応が問われる場面はまだある。
朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)弾劾を求めた週末のろうそく集会などで文氏支持を打ち出した団体が早くも「見返り」を要求しているのだ。

朴政権時代に非合法団体に指定された「全国教職員労働組合(全教祖)」は、「大統領の交代だけを目指して寒い冬に広場に集まったわけではない」とし、政権の引き継ぎを担当する部署に非合法団体撤回を求めるファクスを送るよう組合員に求めた。

左派系の民主労働総同盟(民労総)なども「刑務所に服役している委員長の釈放」をはじめ、閣僚に特定人物の就任を求めるなど、政府人事にも口先介入している。

26日の朝鮮日報(日本語電子版)は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、全教組におもねった結果、教育現場に大きな混乱が起きた例などを挙げながら「新政権が過激な勢力からの無理で不合理な要求を受け入れ、それによって国民の支持を失うような事態はこれ以上あってはならない」とする社説を掲載した。

保守にせよ革新・進歩派にせよ、韓国の政治が身内の利権政治から脱しない限り、こうした問題は終わらない。

コメント


認証コード8473

コメントは管理者の承認後に表示されます。