「憲法を変えなかった原因」

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あれは23年前の春だった。ある偉大な政治家が獅子吼(ししく)していた。

「自由民主党の使命とは何か。日米同盟を堅持し、議会制民主主義を守る自由主義国の一員であることを世界に示し、経済成長による富の公正配分を行い、日本国が地球上で文明国として生存し、未来を子供たちに引き継ぐことである」

その政治家の名は、故浜田幸一。生前は“ハマコー”の愛称で知られた政治家だった。とある講演会での話である。あの時、ハマコーが何を言っていたかよくわからなかったが、今となっては、はっきりとわかる。

ハマコーは常に「自主憲法制定」を訴え、日米同盟堅持を絶叫しながらも、米軍の駐留を許している日本の現状を「植民地」と喝破していた。
 果たして、ハマコーの警世に対し、現状の日本はいかほどの進歩をしているだろうか。あるいは、70年前に敗戦、そして日本国憲法を押し付けられてから、状況はどれほど改善されただろうか。

むしろ悪化しているのではないか。

敗戦によりアメリカの持ち物にされてしまった。それどころか、中国やロシア、あまつさえコリアにすら小突き回されている。

日本国憲法とは戦後レジーム、すなわち日本を敗戦国のままにさせる体制の中核である。

三島由紀夫が「憲法に体当たりして死ぬ奴はいないのか?」と絶叫してからでも、45年以上。誰一人、かすり傷一つつけていない。

自衛隊駐屯地のバルコニーで演説する三島由紀夫=1970年
なぜ70年間、日本国憲法を改正できなかったのか?

私の答えはただ一つ。去年の参議院選挙の前、あれほど言ったのに私の言うことに何一つ耳を貸さなかったからではないか。以下の2本は、これまでにiRONNAに寄稿した私の論考である。

「改憲はこの条文から始めよ!倉山満が評す安倍内閣の憲法論」
「本気で憲法改正をしたい人たちへ その『方法論』を私が提示する!」

安倍内閣は千載一遇の好機を逃し、今に至っている。世の人は民進党を嗤(わら)う。その無能無策無定見は枚挙にいとまがない。私などは逆に、感謝したくなる。安倍内閣を支えてきた功労者として、海江田万里、岡田克也、蓮舫の三人以上に功績がある人がいるだろうか。

国民がいかに不満を抱こうとも、民進党ある限り、安倍自民党内閣は安泰である。

そして、誤植も含めて日本国憲法は一条も、一字一句、健在である。

読者諸氏は気付かれたであろうか。政権は保守が握っている。しかし、日本国憲法体制そのものは健在である。常に与党に居たい自民党、憲法改正さえ阻止すれば政権を担う責任など不要と割り切っている民進党。まるで自民党と社会党による55年体制の焼き直しであることに。

日本は敗戦国のままではイヤだと本気で思う勢力を保守と呼ぼう。
保守は、この負けっぱなしなのだと認識すべきだ。
では、この惨状をどう捉えるべきなのか。厳しい現実であっても、正確に認識すべきだ。その上でなくては、未来への道筋は見えてこない。

また、本稿では一条の光を示す。改憲に向けての具体的なキーマンが現れた。別に裏情報でもなんでもない。日常的に新聞でもテレビでも流れているが、気づく人が少ないだけだ。それを知らせるのが、私の仕事だ。

 かつて吉田松陰先生は名もなき下級武士や庶民の子供に、「自分が日本を率いるつもりで勉強しろ」と弟子たちに説いた。あげくは牢屋の中で死刑囚にも勉強しろと説いた。
 なぜ?
 松陰先生曰く、「知って死ぬのと知らずに死ぬのは意味が違う」と。
 読者諸氏には、「憲法をどうするのか」、すなわち「日本をどうするのか」を考えながら読んでほしい。

「タマに撃つ タマが無いのが タマに傷」

何十年も自衛隊で自虐的に歌われ続けた狂歌だ。まるで冗談になっていない。戦車兵や砲兵はまだ良い。彼ら射撃訓練をするために予算を削られている他の陸上自衛官は、平均して年間200発も射撃訓練をしていないと聞く。これはアメリカ軍楽隊以下の水準だ。

海と空に至っては、さらに悲惨だ。2~3年に1回しか射撃訓練をしていないとのことだ。

では、海上自衛隊や航空自衛隊の基地をテロリストが襲撃してきたら、誰が守るのか。最低限は海上自衛官や航空自衛官が自力で守ってもらわねばならないが、そんな訓練など存在しないに等しい。では、陸上自衛隊が守るのかと問われれば、「聞いていない」と答えるだろう。

陸上自衛隊与那国駐屯地で開かれた創設1年の記念式典2017年4月
吉田茂内閣の時に、自衛隊の前身である警察予備隊が発足し、「軽武装」が主張されて今に至っている。では「軽武装」とは何人か。32万人である。

この数字の根拠は、首相官邸周辺・自衛隊基地・主要港湾・主要幹線を最低限度の日数は防衛できるだけの数である。ここに原発は入っていない。原発の電線が切られれば日本人がパニックになるのは、東日本大震災の教訓だ。それよりなにより、自衛隊は発足以来、25万人の定足数が足りたことはない。

こういう話をすると、返ってくる決まり文句がある。「9条を変えなければ何もできない」と。

本当か。
では、全国の自衛隊駐屯地でトイレットペーパーは2ロール目から自腹である。予算が無いからだ。これも憲法9条を変えないと改善できないのか。

予算を付ければ良いだけの話である。

それとも自衛隊にトイレットペーパーが常備されれば、軍国主義が復活するとでも言うのか。護憲派左翼とて、そこまで恥ずかしいことは言えまい。

もし本気で「自衛隊にトイレットペーパーが常備されれば軍国主義が復活し、戦争になる」などと言いだすなら、全メディアを通じて大々的に宣伝させればいい。日本国民は「そこまで自衛隊の状態は悲惨なのか」と同情してくれるだろう。護憲派左翼こそ笑い者になるのは必定だ。

訓練費も定足数も、同じ話である。憲法どころか、法律の改正すらいらない。

必要なものを必要と主張すればよい。堂々と財務省主計局に予算請求すればよいのだ。ところが、防衛省自衛隊関係者の前では、予算の話はタブーである。どこの省庁も、もはや錦の御旗と化している「財政健全化」を持ち出されたら、予算支出の増額を言いにくくなるが、官界では最弱小官庁の防衛省自衛隊は主計局の前では蛇に睨まれた蛙である。

こうした表現の批判に文句があるのならば、来年度から防衛費を毎年5兆円にしていただきたい。その際にはひれ伏して謝罪する。

安倍内閣で防衛費が5年連続増額しているのを、評価する向きもあろう。しかし、防衛費1%枠などという何の根拠もない霞が関の掟を頑なに守っている枠内での話だ。合格最低点が60点だとたとえるならば、これまでが30点だったのが40点に上がったとて評価に値するのだろうか。

トランプ米大統領は、「同盟国は義務を果たすべきだ。せめて防衛費を文明国水準のGDP2%にまで引き上げよ」と訴えている。

好機ではないか。やれば良い。これだけ北朝鮮が暴れまわり、中国やロシアといった不安定要だらけの隣国に囲まれているのだ。日本が防衛費をGDP2%に増やしたとて文句を言うのは敵国だけだ。

だが、国内には防衛費増額を拒む勢力がいる。財政支出抑制を金科玉条とする財務省主計局、彼らに唯々諾々と従う防衛省自衛隊、そして安倍首相。

防衛費増額と憲法は何の関係もない。それとも、自衛隊が軽武装をできるだけの人数を充足させる、アメリカ軍楽隊よりもマシな訓練を行えるようにする、自衛官がトイレットペーパーの減り具合を気にしないで済むようになる。これらの予算請求もすべて憲法改正をしなければできないのか。だとしたら、その因果関係を立証できるのか。

憲法改正をしなくてもできることなどいくらでもある。

それを、「憲法を変えなければ何もできない」などと何もしなければ、「憲法の理念を守って何もするな」とする勢力と同じである。それとも、憲法の理念に従って防衛費増額をすべきではないと考えているから、「憲法9条を変えなければ何もできない」と考えているのか。

だとしたら護憲派と改憲派は同じ穴のムジナである。
本気で日本を想うなら、憲法9条を変えなくてもできることを先に全部やるべきではないのか。

昔、阪神タイガースのオーナーは言い放ったらしい。
「2位が一番や。優勝したら給料を上げなアカン」
昭和40年から48年まで、読売巨人軍が空前絶後のV9を達成した。阪神タイガースなかりせば、不可能だっただろう。

長期低迷していたころの阪神タイガースを「ダメ虎」と言う。

そもそも「2位が目標」など、目標そのものが間違っている。勝つ気がないのだから、勝てないのは当たり前だろう。そもそもが、「巨人のやられ役で飯を食おう」という負け犬ならぬダメ虎根性なのだ。

かつては「ダメ虎」と呼ばれた阪神の金本知憲監督ら=2017年4月、東京ドーム

某オーナー氏の理想は、シーズン最終戦まで優勝争いを展開し、負ける。ファンは最後まで一喜一憂するので消化試合が無い。そして優勝しないので給料は上げなくてよい。そして「今年は良く頑張りました。来年こそ優勝しましょう!」と盛り上がるが、いつまでも勝つ気はない。「やられ役商売」である。

昭和40年代は2位争いの常連だったから、まだいい。最下位争いが指定席となっていた平成時代など、もっと悲惨だった。内輪もめと足の引っ張り合いは絶えず、強力な指導力を発揮した人物は一人もいないが、それでいて真の敗戦責任を感じ改革を成し遂げた人もいない。そうした惨状でもファンは見放さなかった、と言えば聞こえがいいが、要するに甘やかし続けた。誰もがぬるま湯に慣れていたのだ。だから、ぬるま湯から出たくなかったのだし、出ようとする人間を引き摺り下ろし続けたのだ。
 
政治の世界でも似たような人たちがいる。
日本社会党である。
昭和20年に結成したこの党は、早くも2年後には第一党に躍進し、政権を奪取した。ところが党内の派閥抗争で何もできないまま、あっさり瓦解。以後は「政権恐怖症」とも言うべき状態に陥った。

しかし、社会党の国会議員たちも当選はしたい。そこで考え付いたのが「護憲」である。
衆参両院のどちらでも良いから34%の議席があれば、憲法改正発議は阻止できる。つまり、拒否権集団として生きる道を選んだのだ。

34%の議席があれば51%はいらない。政権意欲の全くない、政党としての最低条件すら有していない恥ずべき集団の、最大受益者が自民党である。自民党は何が何でも衆議院に51%の議席が欲しい。そうした自民党にとって、絶対に自分を脅かさない社会党ほど好都合な存在はいない。社会党が野党第一党でいてくれこと、他の野党が伸びない。

ここに自社の野合が成立した。品の良い人は「55年体制」、口の悪い人は「風呂屋の釜の関係」と評した。前者は二派に分裂していた社会党の再結集と、保守合同による自民党結成がいずれも1955年に行われたことに由来する。後者は、男湯と女湯に別れていても、目に見えない釜は一つにつながっていて、同じお湯を使っている関係だとの意味だ。

現に国会で激しく乱闘を繰り広げた両党の議員が、銭湯で背中を流し合うなど、日常的な光景だった。

こうして、政権亡者の自民党と、護憲を飯のタネにする社会党の癒着が続いた。

社会党の姿を今の民進党に見る向きも多いだろう。それもそのはず、民進党は社会党の末裔なのだから。民主党時代はまだ政権獲得の意欲だけはあったが、民進党に衣替えしたら社会党に先祖がえりである。

55年体制時代は、「まさか社会党に政権を渡すわけにはいかない」が自民党の合言葉だった。そして自民党のあらゆる腐敗が「社会党よりマシだから」で正当化された。

こうした中で、憲法改正を本気で言う自民党の首相が出てくるはずがない。

最も緊張感を欠いたのが、中曽根康弘だった。国会で「佐藤内閣のような長期政権位なれば憲法改正をしますか」と問われ、「そんな長期政権になりません」と緊張感のカケラも無い答弁をした。その通り、佐藤栄作政権ほどの長期政権にはならなかったが、憲法改正には指一本触れなかった。「戦後政治の総決算」などと掛け声だけは勇ましかったが。

そもそも自由民主党は、自由党と日本民主党の保守合同によって成立した。自民党は自主憲法制定を党是としており、保守合同はその手段にすぎなかったことは知られている。

しかし、自主憲法制定すら手段にすぎなかったことは、どれだけの人が覚えているだろうか。そもそも、何のための自主憲法制定か。自主防衛のためである。

いずれも「目的」になった護憲派と改憲派

昭和20~30年代、日本国憲法や日米安保条約など、暫定的な法律であると認識されていた。保守政党のみならず、社会党をも含めて、政界全体の常識であった。

ところが、自主防衛はおろか、「自主憲法」という言葉そのものが死語になった。憲法改正と言おうが、自主憲法制定と言おうが、言葉はどちらでもいい。問題は中身だ。

現在の改憲論議が、日本国憲法の条文を変えるか変えないかの議論に終始してきた弊害は、各所で指摘してきた。

本来の憲法論議は、先に「日本国をどうするのか」の国家経営の議論があって、後に憲法典の条文をどうするのかの議論であるべきだ。ところが、誤植も含めて一字一句変えたくない護憲派と、日本国憲法(特に9条)の字句を何でもいいから変えたい改憲派。一体何がしたいのか。

日本国憲法
第7条
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。

第9条
1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

7条の「総」一字が誤植である。衆参同日選挙でも参議院は半数改選なので、「国会議員の総選挙」は日本国憲法では存在しない。この誤植一文字すら、変えられなかった。

9条をよく読んでほしい。どこに「自衛隊にトイレットペーパーを支給してはならない」などと書いてあるのか。それとも、「そもそも自衛隊は違憲の存在なのだから、トイレットペーパーを1ロール以上支給してはならない」などという解釈でもひねり出す気か。ならば1ロールに限る根拠は何なのか。9条をめぐる憲法論議など、この程度である。

かつて、岸信介内閣は憲法9条下でも核武装は可能との解釈をひねり出した。日本国憲法など、そのような解釈も可能なほどデタラメなのである。

別の例を出す。
「憲法9条を変えない限り、北朝鮮拉致被害者は奪還できない」としたり顔で説教する自称改憲派にも、しばしば出くわす。

では、拉致被害者や家族は、百年河清を待つがごとく憲法改正を待てと言うのか。それよりも、憲法典と何の関係もなく拉致被害者を取り返した小泉純一郎のような政治家を望んでいるのではないのか。

なぜ小泉内閣が拉致被害者を取り返せたか、一言しておく。

2001年当時、9.11テロでアメリカは「テロとの戦争」を宣言した。小泉内閣はいち早く応じ、イージス艦をインド洋に派遣するなど同盟の義務を果たした。年末には、北朝鮮の不審船を自沈に追い込み、その上で残骸を引き上げてさらし者にした。「1人も返さないような態度なら、殺すぞ」との国家意思を示したのだ。

負け犬根性から抜け出せ!

なんでもかんでも日本国憲法、特に9条のせいにして、できることすらやらない。

政界では社会党が「やられ役」だったが、言論界では護憲派は常に多数であり続けている。改憲派が「やられ役」に甘んじているとしたら、社会党やかつての阪神タイガースを嗤(わら)えるだろうか。

社会党の末路は哀れだが、阪神タイガースは一人の傑出した指導者により蘇った。

野村克也監督である。野村監督は、阪神タイガースの完全な外様であり、異分子だった。それだけに、ぬるま湯体質を容赦なくぶち壊し、選手に基礎を徹底的に叩き込み、フロントやファンを教育した。野村監督の時代には成果が出なかったが、次の星野仙一監督の時代からは二年に一度優勝する強豪チームに生まれ変わった。

憲政史家を名乗る私の役目は、野村監督のようなものだと思っている。

一、 負け犬根性から抜け出す。
二、 何が勝利なのか、明確に目標を定める。
三、 憲法学に関する基本的な議論を普及する。
四、 小さくても良いから、勝利を積み重ねる。

ここまでできれば、御の字と思っている。

何だかんだと自民党の存在価値は何か。国民を食わせることである。
安倍首相がいかなる失政をしようが、民進党が何をわめこうが、経済で間違わない限り安倍内閣は安泰だろう。

現在の経済状態は、20年に及んだ大デフレ不況から、緩やかに回復しつつある。回復しつつあるのは日銀の「黒田バズーカ」の破壊力の効果であり、「緩やか」でしかないのは消費増税8%の威力である。何とか10%の再増税を阻止し、黒田東彦日銀総裁が追加緩和を行ったので何とか日本経済も回復してきた。

今や失業率は2%を切るまでに減り、都内アルバイトの時給は1000円を下らず、大学生の就職はバブル期並みまで回復した。
安倍内閣を支えているのは、少数の熱心な保守ではない。アベノミクスの恩恵を受けている多数の日本国民である。特に若者の支持率が高い。

ならば、景気回復を加速させて憲法改正に有無を言わせない世論の支持を得ればよい。詳述はしないが、金融緩和の加速、インフレ目標の引き上げ、消費減税、財務省人事への介入など、いくらでもやることはある。何より最も効果的な財政政策は、防衛費増額である。トランプの望む通り、来年度から5兆円の増額を打ち出せばよい。外為特会を10年切り崩しても、まだ財源におつりがくる。

希望はある。

キーマンは、日銀政策決定員会審議委員に安倍首相が指名した片岡剛士氏である。片岡氏は歴代民主党政権を批判、現在アベノミクスと呼ばれているような経済政策を主張したリフレ派の論客である。

その中でも、アベノミクスにはまだまだやれる余地があるとの立場での指摘をしてきたエコノミストだ。安倍首相はその通りやれば良い。

果たして、安倍内閣の生命線である経済政策、国際情勢、そして政局が一つの問題だと考えられるだろうか。憲法改正は、この三つの別の問題に見えて一つの問題の先にあるのだ。

世の人は「安倍右傾化内閣」と言う。あるいは逆に、そうした批判に耐えて政権運営している安倍首相を「良くやっている」と評する人もいる。本当だろうか。

では、仮に考えてみよう。

現在、東アジアの緊張が高まっている。現在どころか、ソ連崩壊以来、常に高まりっぱなしである。米中露の三大国に加え、ならず者の北朝鮮までが核武装して睨み合っている。日本と韓国だけが平和ボケして、当事者意識を無くしている。

こうした中で、安倍首相の「緩やかな景気回復」「申し訳程度の防衛費増額」「民進党よりはマシだから高支持率で内閣は安泰」の状態が、後世の評価に耐えられるだろうか。

現実には考えにくいが、まったく無い訳ではない仮定の話をしよう。

何かの拍子で、東アジアで大戦が起きる。その時、ヒトラーやスターリンに侵略された第二次大戦の小国の如く日本が蹂躙されたとして、その時の安倍首相を「よくやっていた」と称揚できるだろうか。あるいは、安倍内閣がそうした最悪の情勢への備えをしていると自信を持って言えるだろうか。

ここまで言って、「北朝鮮のミサイルが落ちるまで日本人は気付かない」などと何もしないなら、それこそ護憲派と同じである。
賢明な読者諸氏は、自分が何をすべきかを考えてほしい。

なぜ憲法改正ができなかったか。
憲法改正など目的ではなく、自主防衛への手段にすぎない。こんな基本的な認識すら忘れているのだから、勝てるはずがないではないか。

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