「カールビンソン」

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4月26日、韓国・抱川でアメリカ軍と韓国軍の合同演習が一般公開されました。

抱川は、南北の軍事境界線に近く、北朝鮮軍が東部の元山で実施した大規模火力演習を受け、それを牽制するものでしょうね。

訓練は北朝鮮のミサイル基地に対する空爆や砲撃を想定し大規模なもので、F15やアパッチ攻撃ヘリコプター、多連装ロケット砲、戦車や装甲車などおよそ90両、兵士2000人余りが参加しています。

映像を見る限りでは、北朝鮮の砲門を並べたものとは違って、航空兵力の差が歴然です。アメリカ軍のマシュー・ガーナー中佐は「米韓両軍は、必要とあらば今夜にでも戦う準備ができている」とコメント。まぁ、分かり切ったことですけれども、はっきり言って次元が違いますね。

中国中央テレビは、北朝鮮はガソリンが高騰していて、平壌でガソリンスタンドの営業停止が広がり、営業中のスタンドに給油待ちの車列ができるほどだと伝えています。

北朝鮮では、職場などから地下鉄やバスに乗るためのチケットが配給されるそうなのですけれども、ガソリンについても同じくチケット配給されていて、1枚あたり15kg(=約20L)でおよそ70元(約1450円)だったのが、160元(約2580円)へと70%値上がりしているようです。

これは北朝鮮当局がガソリン供給を制限している為なのですけれども、その理由は不明。ただ中国が原油の供給を絞っているのではないかという見方もあります。

そんな中、同じく26日、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は、アメリカ下院軍事委員会公聴会で、北朝鮮への先制攻撃の可能性を問われ、「先制攻撃の様々な選択肢がある」と発言。南北朝鮮や米中間の紛争の可能性については「マネジメント可能なリスクだ」とし、「もし北朝鮮が核兵器(保有の)目標を達成すれば、大勢の韓国人や日本人も犠牲になる」とコメントしました。

そして、半島に向かっているとされる空母について「カールビンソン空母打撃群は沖縄東方におり、北朝鮮への攻撃射程内にある。北方に航行を続ける……アメリカ太平洋軍は今夜でも戦闘できるよう準備しなければならず、アメリカ本土と同盟国を防衛するため、あらゆる可能なステップを熟考する必要がある」と述べています。

まぁ、真綿で首を絞めるというか、じわじわと圧力を掛けていますね。

昨日のエントリーで、北朝鮮は核実験を延期して、6月に行うのではないかという見方を紹介しましたけれども、もしも、カールビンソンが6月になっても、まだ撤退しないとしたら、半島のみならず別の効果も発生します。

それは中国への牽制です。

例えばカールビンソンが沖縄周辺あるいは南シナ海辺りをぐるぐると遊弋する。そうなれば、中国は南シナ海の人工島への兵器の搬入や、拠点建設がストップせざるを得なくなります。北朝鮮を口実に、沖縄から南シナ海に掛けて軍事的圧力を一緒に掛けていく。これを狙ってやっているかは分かりませんけれども、中国としては、北朝鮮をなんとかしない限り、その状況は変わらないことになります。

まだまだ緊張は続きますね。

日比野庵

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