「世界は腹黒い」

画像の説明
たいへんおもしろい比較があります。
英国の非営利組織「調査報道局(Bureau for Investigative Journalism)」の2017年1月17日のレポートによると、オバマ政権下の8年間に行われたパキスタン、ソマリア、イエメンに対して行われた空爆は、合計563回で、これによって少なくとも384人、最大807人の民間人が殺害されたとあります。

単純計算なら、これは毎月約6回の空爆を行ったことになります。

また、米国の外交問題評議会(Council on Foreign Relations)が2017年1月5日に発表したところでは、オバマ政権は2015年から2016年にかけてのわずか2年間で、およそ5万発に及ぶ爆弾を投下したとあります。

そして2016年に落とした爆弾2万6172発のうち、それぞれ1万2先発以上をシリアとイラクに、1300発あまりをアフガニスタンに、その他、イエメン、リビア、ソマリア、パキスタンにも投下したとあります。

1年で2万6千発です。
これまた単純平均したら、毎月2千発以上の空爆を行っていたことになります。

これに対し、オバマ氏の前任のブッシュ政権のときの米国の爆弾投下は、合計で57回にすぎません。

また、トランプ政権は、発足から現在までに3ヶ月が経過しましたが、いまのところ、シリアへの空爆を実施したのみです。

宣伝されるイメージと実態は、大きく異なるのです。

このことは、一昨日ご紹介した森神逍遥著『人生は残酷であるー実存主義(エリート)の終焉と自然哲学への憧憬』(桜の花出版)からの受け売りですが、口に平和を唱え、テロとの戦いだけを行い民間人の殺害はしないと公言していた大統領が、その実、まるで爆弾魔と言って良いほどの空爆を行う大統領であったこと、一方においては、強いアメリカを標榜し、世界に向けて米国の強さを堂々とアピールした大統領が、実は、実際の空爆回数は、その10分の1以下にとどめているという、まぎれもない事実を私たちに示してくれています。

要するに、国際政治は、きれいごとではすまされないのだということです。世界におけるビジネスは、人を信用しないことによって成り立っています。

特に米国や支那韓国はそうです。

ところが日本人の考え方はそうではありません。
日本では、ビジネスの基本は人を信用することです。
これは他でもない、信用に足りるだけの民度が日本にはあるからです。

武力行使も同じです。
警察が強ければ、悪漢だって手を出す前に、すこしは考えます。
けれど警察が弱く、政治が警察力に適切な力を与えない、それどころか悪者には悪者なりの言い分がある、悪人の言い分も尊重しなければならないなどと言い出そうものなら、この世は悪の天下となります。
そして恐怖と暴力が支配することになります。

日本は、深夜に女性が独り歩きしても心配のない国でしたが、昨今の日本では、それができにくくなっています。
それだけ日本が危険な国になりつつあるといえます。
これはある意味、当然のことです。
日本が日本的な文化を失い、米国や支那朝鮮の文化を日本よりも「上位の文化」と位置づけて、その模倣をすれば、当然日本は、彼らの国と同様の住みにくい国になります。

産業にしても、日本は国土が狭く地価が高く、しかも自然災害の多い国です。そこで大陸と同じ政治を行うならば、日本の国力は彼らに敵うはずもないのです。

孫子の兵法に、次の言葉があります。

孫子曰く、
凡そ用兵の法は、
国を全うするを上と為し、
国を破るは之に次ぐ。

軍を全うするを上と為し、
軍を破るは之に次ぐ。
(中略)
是の故に百戦百勝は、
善の善なる者に非るなり。
戦わずして人の兵を屈するは、
善の善なる者なり。

戦わないと先に宣言してしまえば、結局は裏で空爆を繰り返さざるを得なくなるのです。

断固戦うという姿勢を示していると、逆にテロは沈静化します。

戦後左翼は、一貫して日本から武力と警察力を奪うことを主張し続けてきました。その結果、では、誰が利得者となったのでしょうか。昭和30年代なら、家に鍵をかける必要性さえなかった日本が、いまでは鍵を二重にかけるようになりました。

小学生の学童が、片道6キロの人気のない山道を通学しても、なんの不安もなかった日本が、最近では、もはや欧米並みに子供の通学は親が送り迎えでもしないことには、危なくて仕方ないかのようになってきています。
日本は、理想の国家に近づいているのでしょうか。

戦後の価値観は、一貫して、何もかもカネで価値を図るようになりました。

このことについて、アーノルド・J・トインビー(英国・歴史学者)は、「民族が滅びる3つの原則」として、次の三点をあげています。

第1の原則 理想を失った民族は滅びる。
第2の原則 すべてを金の価値に置き換えて判断する民族は滅びる。
第3の原則 12・3歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は例外なく百年以内に滅びる。

まさに1・2・3とも、いまの日本にあてはまります。

民族の理想とは、誰かひとりが大金持ちになることではありません。
民族そのものが豊かとなり、その民族の住む国家が安全で安心して生活できることにあります。

つまり、価値の本質は、カネだけにあるのではないということです。
その価値観が、カネだけに偏れば、どこかの国と同じように、一部の人だけが大金持ちとなり、その余はみんな貧乏になります。
そして貧すれば貪するで、ろくなものが作れなくなります。

日本は、神話の昔から、物作りに価値を見出してきた国です。
このことは古事記に明確に書かれています。
迩々芸命(ににぎのみこと)が何のために天孫降臨したか。
それは、流通や物流、そしてカネを得ることだけに価値観が偏向した中つ国を、もういちど物作り国家として再生するためです。
そして、安全で安心して暮らせる国つくりを行うためでもありました。
こうしたことは、古事記を大人として読むと、はっきりとわかります。

ちなみに、北朝鮮有事は、米国が「やるぞやるぞ」と言っている間は、決して起こりません。

有事が起こるのは、北朝鮮の暴発が起きたときです。

この問題の背景にあるのは、米国の貿易収支の赤字です。
↓ここ↓をご覧頂くとわかるのですが、世界216カ国中、米国の貿易収支は世界最下位です。
http://www.globalnote.jp/post-3277.html</u>">http://www.globalnote.jp/post-3277.html
日本は206位で、パキスタンやメキシコと同じです。
一方、貿易収支が大幅黒字になっているのは、
1位中共、2位ドイツ、3位ロシア、4位アラブ首長国連邦、5位韓国です。

こと貿易収支を見る限り、支那や韓国の方が、日本よりも圧倒的に景気が良いのです。

ちなみに最近の米国の状況はひどいものです。
幹線道路はどこも穴だらけでボコボコです。

だからこそ米国市民は、オバマークリントン路線ではなく、トランプ政権を選んだのです。日本も同じです。
出口の見えない不況が続き、貿易収支も大幅赤字です。

いまの日本では、結婚したての若いカップルが、旦那の稼ぎだけで奥さんが専業主婦として安心して子育てできる家庭なんてまずありません。
生まれたばかりの子供を預けて奥さんも働きに出、旦那は会社の給料だけではやっていけなくて、アルバイトを2つ3つかけもちして、ようやく家計をもたせているというのが実情です。

その一方で、在日外国人が、贅沢三昧の暮らしをしている。
その在日外国人を主な支持母体とする民進党に人気がなくなるのも、当然です。

ともあれ、世界を平和にということは、「世界に平和を」とお題目を唱えていれば実現できるというものではありません。

民族として、国家としてのアイデンティティをしっかりと持ち、軍事力を含めて世界と堂々とわたりあって、はじめて世界に平和が生まれるものです。

そしてこのことは、戦後の日本が、戦前の日本に対する「対抗国家」であるうちは、絶対に実現し得ないことです。
日本は、戦前とか戦後とかに関係なく、日本人が日本人として目覚めていかなければ、おそらく日本は世界の最貧国にまで至ってしまいかねません。

それは端的に言ってしまえば、日本人が貧乏になるということです。

あらゆる価値をおカネに置いて、おカネだけを追求する結果、日本は貧乏になるのです。

なぜならおカネによる富は必ず偏在するものだからです。
誰もが生産よりも、その対価としてのカネだけを求めれば、生産がおそろかになります。そして生産がおろそかになるということは、マクロでみれば、貧乏になるということです。

日本の富全体が縮小方向に向かえば、富は奪い合いとなり、必ず偏在します。

そんなことはない。いまの日本は物余り社会ではないかという声も聞こえてきそうです。

ところが、物余りといいながら、食料は国内生産が乏しくて外国頼みとなり、高付加価値の物品は、長年の研究成果さえも、外国に奪われているのが実情です。

要らないものがいくらあっても、それは付加価値を生みません。
必要なもの、必要とされるものが余剰生産されて、はじめて輸出が伸び、国が豊かになるのです。
ごくあたりまえのことです。

日本は、戦後を大きく見直すべきときにきています。

ねずさん

コメント


認証コード7124

コメントは管理者の承認後に表示されます。