「絶句」

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米中首脳会談後わずか10日間で様相を異にした世界

今週は、先日行われました米中首脳会談と、その後に起きました世界的な異変の数々につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

4月6日と7日、米国トランプ大統領は、フロリダ州パームビーチの高級別荘「マールアラーゴ」で中国の習近平国家主席との初会談に臨みました。

トランプは海外要人を迎える(マウンティングする)のにこの地が最もふさわしいと考えている様子で、2月には日本の安倍晋三首相はここに招かれ喜んでいたそうですが、中国は、表向きには「海に面したスパニッシュ様式の別荘では米政府の象徴性を欠く」と反対の意を表明し、公式にホワイトハウスでの会談を望んでいました。

ですが、トランプ当選以降、険悪だった米中関係を考え、最終的には中国が折れることになりました。

すべては、ここからはじまっています。

その4月6日歓迎の意味もある米中首脳会談夕食時、トランプ大統領はこの会食終了間際に、習近平主席に「まるでデザートのように」シリアに対して軍事攻撃を実施したことを伝達しました。

その時の様子をトランプ大統領は、今週放送されたFOXビジネス・ネットワークのインタビューで、「習氏は10秒間沈黙した後、通訳を介して『もう一回言ってほしい』と聞き返した」と語っています。

この米中首脳会談の最中に、習中国国家主席は、米国を強く非難することはできませんでした。

シリア、そして北朝鮮のバックにちらつく中国の影

また、北朝鮮による核開発への懸念が高まるなか、トランプ政権は、原子力空母カール・ビンソンや駆逐艦を朝鮮半島へ派遣しました。

米太平洋司令本部は、朝鮮半島周辺での即応態勢を維持するための予防的措置だと説明しており、デイブ・ベンハム太平洋軍司令本部報道官は、「同地域の最大の脅威は依然として、北朝鮮だ。北朝鮮は無謀で無責任で不安定要因となるミサイル実験を重ね、核兵器保有を目指している」と述べています。

同じくトランプ米大統領は、「北朝鮮の核の脅威に対して単独で行動する用意がある」と何度も表明しています。

一方、為替市場は混乱しています。まるで、米中首脳会談にあわせるように湧き上がったシリアと朝鮮半島危機は、「有事の際の円」と言われるようにドルを暴落させ、円を強くしておりますが、実際は、トランプ大統領自ら、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューに答え、「ドルは強くなりすぎている」と述べ、改めて輸出に不利なドル高への不満を示したことがきっかけとなりました。

この経済戦争仮想敵国のひとつは、間違いなく中国です。その上、トランプはアメリカの金融政策について「低金利政策が好ましい」と述べ、FRB=連邦準備制度理事会に対して、金利を低い水準で維持するよう求めました。

これら10日間で起こったことのすべては、トランプの中国包囲網だと思われます。

ヒラリー・クリントンがゴールドマン・サックスで行った関係者限りの講演会で話しているように、シリアを「守る」ロシアの後ろには中国がいて、挑発的な北朝鮮を支えているのは中国人民解放軍なのは、間違いありません。そして、為替操作を行なっている中国元にたいして、ドルは対抗する必要があります。

米中首脳会談が行われてからわずか10日間で、世界は様相を異にしています。そして歓迎の夕食時に爆撃を報告したように、トランプは脅しではなく、実力行使を進めている準備を告げています。

トランプが習近平に「徹底的に教えているもの」

4月11日、トランプ米大統領はインタビューのなかで北朝鮮(およびシリア)の現状を踏まえ、「もし中国が(米国を)助けると決心するなら実にすばらしいことであり、米国との貿易取引ははるかに良くなるが、助けなければ中国の助けなく問題を解決する」と再度強調しました。

トランプは、習近平に「ゲームのルールが変わった」ことを、徹底的に教えているのです。

MAG2

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