中国、資金流出過去最大の82兆円=トランプ氏の政策で加速も

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中国からの資金流出が2016年に過去最大になったことが、国際金融協会(IIF)が3日までにまとめた推計で分かった。

トランプ米大統領の政策次第では流出が加速する可能性があり、秋の共産党大会に向けて経済の安定を保ちたい中国は、苦しい立場に置かれそうだ。

IIFによると、流入額を差し引いた純流出額は7250億ドル(約82兆円)と、15年から500億ドル増えた。人民元安の進行を嫌気した企業や個人が資金逃避を急いだためで、14年の1600億ドルに比べ5倍近い規模に膨らんだ。

中国は規制強化で流出阻止に努めているが、IIFは「米国に本拠を置く多国籍企業が収益を中国から本国に移し始めれば、17年は流出がさらに進む可能性がある」と指摘。トランプ氏の保護主義的な政策が「重大な不透明要因」だとした。 

人民元の対ドル相場は16年の1年間で、中国の景気減速などを背景に6.6%下落し、過去最大の下げ幅を記録した。トランプ氏は日本と並び中国に対しても、通貨安誘導だと攻撃している。

中国にとっても、急速な元安は資金流出の拡大を招くため好ましくない。外貨準備を取り崩してドル売り・元買いの市場介入を続けている状況だ。

ただ、外貨準備の減少は、15年の人民元切り下げ・株安時に続く新たな「中国不安」につながりかねない。

5年に1度の党大会で権力基盤をさらに固めたい習近平指導部は経済の安定が最重要課題だが、トランプ政権発足で不透明感が強まっている。

jiji

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