「大統領選挙」

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韓国の次期大統領選の有力候補だった潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が、電撃的に大統領選への不出馬を宣言した。

潘氏は昨年12月、国連事務総長の退任直前、大統領選への出馬の意欲を示した。1月12日に帰国した際も、「分裂した国を一つにするのに身をささげる」と事実上、出馬表明をした。誰の目にも「やる気満々」(ソウルの外交筋)に映ったが、帰国後3週間足らずでの不出馬表明で語ったのは、韓国に対する強い失望感だった。

「旧態依然の政界の偏狭で利己的な態度」「人格殺害に近い陰謀とさまざまな嘘のニュースで政治交代の名分がなくなった」「個人と家族、10年間務めた国連の名誉を傷つけた」。言葉と表情には韓国の現実への嫌気が露骨に表れていた。

格差や政治理念、世代間、地域の対立といった問題の克服に向け、「国民大統合」を訴えた潘氏だが、韓国政界は修復できそうにない分裂状態。しかも、メディアは「帰国1週間で国民を落胆させた」「(大統領選に)担いでくれる者なら首相を任せるというのか」などと、潘氏の攻撃に明け暮れた。

潘氏が出馬を断念したことで、大統領選は朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追を主導した左派系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表に一層有利な情勢となった。

潘氏以外に有力候補がいない保守派では、与党セヌリ党を集団離党した議員らが発足させた第3野党「正しい政党」の南景弼(ナム・ギョンピル)京畿道知事と、朴氏に反旗を翻した非朴派の中心人物、劉承●(=日へんに文)(ユ・スンミン)議員が出馬を表明している。だが、文氏優位の前に乱立の感は否めない。

こうした中、職務停止状態の朴大統領の代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相の待望論も浮上している。黄氏は明言は避けているものの、出馬自体は否定していない。

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