2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
「強気?弱気?」
3月31日、アメリカのオバマ大統領は、中国の習近平国家主席と会談し北朝鮮の核実験やミサイル発射など挑発行為への協力について話し合いました。
習主席は北朝鮮核開発やシリア問題などでの米中協力を挙げて「新型大国関係の構築に関する非常に大きな潜在力が示されている」述べる一方で「相互の核心的利益の尊重」も要求しています。
習主席は会談で、南シナ海におけるアメリカ軍の「航行の自由」作戦を「航行と飛行の自由を口実に中国の主権を侵害するのは許さない」と反発。
更に、THAADの韓国配備についても「中国の安全に関する利益を損ねる」と反対しました。そして台湾に関しても、いかなる独立運動も許さないと「一つの中国」の原則を守ることを求めました。
アメリカ政府関係者によると習主席の態度は喧嘩腰だったそうで、残り1年の任期を切ったオバマ大統領を完全に舐め切ったかのような態度ですね。
この習主席の強気の態度の裏には、低迷する中国経済による国内の反発や軍などの反米勢力の支持を固める思惑があるとも言われています。
新疆ウイグル自治区などが出資し、昨年秋に発足したニュースサイトで「無界新聞ネット」というのがあるそうなのですけれども、今年3月初めに、そのサイトに「忠誠なる共産党員」を名乗る人物が現れ、経済低迷や言論弾圧、独裁、外交の失敗などを挙げ、「習氏には中国を未来に導く能力がない」と共産党総書記の辞任を求めるメッセージを書き込みました。
そのサイトは当局によって忽ち閉鎖されたのですけれども、3月29日にはニュースサイト「明鏡新聞網」系のブログに「171人の中国共産党員」名で、「習同志の独裁と個人崇拝が党内組織をひどい状態にした。……習同志を一切の職務から罷免し、党と党員を救済するよう要求する」と訴えるメッセージが残されました。
いままでの共産党からはちょっと考えられない事態です。
無論中国当局は、捜査と弾圧に乗り出していますけれども、情報化が進んだ今は皆が見てますからね。そうそう強権発動というわけにもいきません。
例えば、一昨年秋の香港での雨傘革命は成功に至りませんでしたけれども、中国当局は天安門よろしく武力による民間人殲滅を実行できませんでした。その意味では中国といえども従来のような、問答無用で圧し潰すやり方の限界を垣間見せました。
今の習政権の足元は結構揺らいでいるのかもしれません。
一部には、習政権の失政に怒った知識人らが中心となって、習政権転覆を狙う『地下組織』を結成し、そこに軍の一部が接近しているという噂すら流れだしているそうです。
これまで習主席は6回の暗殺テロを受けたとされています。
犯人は反習一派の軍部だったそうですけれども、先の『地下組織』が軍を巻き込んでの政権転覆を狙うとなると、習主席は自分を守るために軍を味方に付けなくてはならなくなります。
つまり、国内の軍や保守派の気持ちを繋ぎとめるために、外交を犠牲にしてでも、習主席は、今回アメリカに強気な発言をしたのではないかということです。
裏を返せばそれだけ"弱気"になっているということです。虚勢を張っている。
これが本当であれば、結構危ない事態ですね。強気発言くらいで軍が溜飲を下げてくれるのならよいかもしれませんけれども、それで足らなければ、もっと強気に出なくてはならなくなります。
そしてそれでも間に合わなければ、無理やりにでも軍の活躍の機会をつくり仕事を与える。つまり戦争です。
本気で有事に備える必要が迫ってきているように感じますね。