2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
「足元を見ることだね」
高速鉄道、工事は未だ手つかず
建設許可ないまま「起工式」…インドネシア運輸相は欠席
高速鉄道の着工式典は1月21日、ジョコ大統領も出席して開かれたが、建設認可を審査しているジョナン運輸相は欠席。26日の議会公聴会の質疑で「評価が終わっていない」として建設許可はまだ出していないとした。
中国受注のジャワ高速鉄道が着工 2019年開業目指し“見切り発車” 用地確保も難航
必要書類、中国語で読めず…事業契約も調印できない状況
運輸省幹部は、必要書類が未提出なうえ、提出された書類もインドネシア語や英語ではなく中国語で記載されており、「評価のしようがない」と事業契約も調印できない状況を明かした。
書類ずさん過ぎ…中国受注のジャカルタ高速鉄道、工事“出発進行”できず 中国語のまま「評価できぬ」
中国側、一転して「保証」を求めていたことも判明
また、建設を担う中国とインドネシアの合弁会社が、事業失敗の際の「保証」をインドネシア政府に求めていることが判明。財政負担ゼロを条件に中国案が採用されたが、将来的に負担が押しつけられかねないとインドネシア側から懸念が出ている。
政府保証を要求…中国案のインドネシア高速鉄道〔2016年2月4日 読売新聞〕
インドネシア側は、耐震強化を要求「改善なければ認可せず」
運輸省は2月3日、建設を担う合弁会社に対し、地震対策を強化し、鉄道の耐用年数を60年間から100年間にするよう求めた。改善しない限り認可を出さない方針で、認可がいつ出るか見通せない状況となっている。
ジャワ高速鉄道 中国の合弁会社側に「改善なければ認可せず」耐震強化を要求 インドネシア政府
インドネシア高速鉄道、設計図5キロ分だけ
中国、インドネシア高速鉄道の認可遅延に直面〔2016年1月26日 Financial Times〕
中国主導の高速鉄道計画は欠陥だらけ-インドネシア運輸省が列挙〔2016年2月4日 WSJ〕
インドネシアで強まる不信感
「準備不足で計画失敗のリスク高い」と地元有力紙
インドネシアの有力英字紙ジャカルタ・ポストは2月1日付の社説で、「準備が不足しており、計画が失敗するリスクは高いようにみえる」と指摘。
中国受注の高速鉄道「準備不足で計画失敗のリスク高い」 インドネシア有力紙が批判
「中国に発注したのは最大のミスだ」計画中止を求める声
また、野党議員からも「中国に発注したのは最大のミスだ」などと、計画中止を求める声が噴出している。
インドネシアも「日本式」にすべし 中国計画は暗礁…
死者25人…中国に欠陥航空機を導入させられた過去
インドネシアでは2011年、導入した中国製プロペラ旅客機「MA60」が墜落事故を起こし25名が死亡した。ほかにも事故が相次ぎ購入禁止機種に指定。高速鉄道についても安全面について不信感が広がっている。
欠陥旅客機の二の舞か、高速鉄道計画に不信感広がる〔2016年2月2日 Global News Asia〕
中国側は反論「安全上の不安はなく、計画は順調に進んでいる」
中国メディアは5日、中国政府高官の話として「高速鉄道計画は順調に進んでいる。安全上の不安は一切なく、何ら問題はない」と強調した。
中国が反論―インドネシア高速鉄道計画は順調、懸念事項は無い〔2016年2月6日 Global News Asia〕
中国のインフラ受注、他にもトラブル
フィリピンの鉄道は全面凍結…その後、日本が建設を手掛ける
中国は2004年、フィリピンの首都マニラと都市クラークを結ぶ鉄道建設を始めたが、工事は遅延。07年の完工予定が12年に延期されたが進展はなく事業は全面凍結となった。結局、フィリピン政府は日本に支援を要請し、現在建設が進められている。
インドネシア高速鉄道 敗因は中国の札束外交…資金繰りも工法もリスクだらけ
メキシコの高速鉄道は受注撤回され…補償求める騒ぎに
2014年、中国の企業連合はメキシコ初の高速鉄道の建設契約を約5000億円で落札したが、メキシコ政権との贈賄疑惑が浮上し、数日で受注が撤回された。中国側は激怒し、補償を求める騒ぎに拡大した。
「日立」に完敗した中国鉄道ビジネス メキシコ、タイ…海外各地でつまずき
一方、日本がジャカルタで建設している地下鉄工事は着々
日本政府が円借款を供与、清水建設や大林組などが工事を担当する首都ジャカルタの地下鉄工事は2014年にスタート。19年の開業に向けて着々と進んでおり、世界最悪とも言われるジャカルタの交通渋滞解消の切り札として期待を集めている。