2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
「安全な通貨?」
「世界的なリスクが高まると円(日本)が買われ、円高になる」。
これはサブプライム問題から一貫した動きであり、今回のドイツ銀行発の欧州金融危機でも同様の動きが起きている。
これは世界の投資家に日本の通貨である円が安全資産としてみられているからであり、日本の信用の証明だ。日本は23年連続の「世界一の純債権国」で、世界中にお金を貸している世界一の金主だ。
さて、今回世界の金融市場で何が起きたのか見ていこう。
まず第1の問題は、チャイナバブルの崩壊だ。世界経済の成長を主導してきた中国、その中国の株価が暴落し、世界の金融リスクを引き上げた。
そこにドイツ最大の銀行であり、欧州の巨大資本であるドイツ銀の問題が浮上した。その要因には欧州の分裂危機にまで陥っている難民問題、また、ドイツ経済を牽引(けんいん)してきたフォルクスワーゲンが排ガス問題で経営難となったことなどが挙げられる。
ドイツ銀は、サブプライム問題やユーロ危機などで他の欧州系銀行が事業を縮小する中で、積極的な投資を行い業容を拡大し続けた。これが業績悪化懸念の大きな原因となり、株式が売られ、資金調達コストが急上昇してしまった。
そして、この過程で「CoCo債」という新種の債券の問題もクローズアップされた。
「CoCo債」というのは、債券と株式の中間的商品であり、銀行の自己資本に問題がない限り、債券として一般の社債よりも高い利払いを受けられる。しかし、銀行の自己資本に問題が生じた場合など“トリガー条項”にかかると、強制的に普通株に転換されたり、元本のカットが行われる債券だ。
本来、銀行が自己資本比率を維持するためには、新株発行による増資で資本金を増やす、または貸し出しを抑制するなどリスクポジションを増やさない、という選択になるわけだが、CoCo債は増資(希薄化により株価が落ちる)をしなくても自己資本が維持できる銀行にとって非常に便利な商品だったわけだ。
「世界的なリスクが高まると円(日本)が買われ、円高になる」。これはサブプライム問題から一貫した動きであり、今回のドイツ銀行発の欧州金融危機でも同様の動きが起きている。
これは世界の投資家に日本の通貨である円が安全資産としてみられているからであり、日本の信用の証明だ。日本は23年連続の「世界一の純債権国」で、世界中にお金を貸している世界一の金主だ。
さて、今回世界の金融市場で何が起きたのか見ていこう。
まず第1の問題は、チャイナバブルの崩壊だ。世界経済の成長を主導してきた中国、その中国の株価が暴落し、世界の金融リスクを引き上げた。
そこにドイツ最大の銀行であり、欧州の巨大資本であるドイツ銀の問題が浮上した。その要因には欧州の分裂危機にまで陥っている難民問題、また、ドイツ経済を牽引(けんいん)してきたフォルクスワーゲンが排ガス問題で経営難となったことなどが挙げられる。
しかし、ドイツ銀問題でこの債券リスクが露見し、それがCoCo債全体のリスクを高める結果(債券価格の下落)になった。ドイツ銀の発行額だけで見れば46億ユーロ(約5800億円)にすぎないが、世界で発行されている総額は約1020億ドルに及ぶのだ。
今回の問題で、今後、銀行がCoCo債という容易な手段を利用して増資を行うことは困難となる。その結果、金融不安が一気に増大し、株式や債券が売られて「安全な通貨である円」が買われたのだ。