「売国奴」

画像の説明 無効なヤルタ密約を有効にしたい者たち

平成28年2月7日、わが国は「北方領土の日」を迎え、各地で返還期成行事が催された。

大統領ウラジーミル・プーチン率いるロシアは数年来、四島をはじめとするわが国北方領域の不法占拠を正当化しようとする主張を、より強硬にしている。

これは、21世紀の専制皇帝を志向するプーチンの意向を領土にも反映していると思われがちだ。だが実は、「戦後体制によるものだ」とするヤルタ密約などロシアの論拠が、国際法上はまったく無効であることを自覚している〝裏返し〟でもあることを有馬哲夫氏が別冊正論「『樺太―カラフト』を知る」で論証しているので、お読みいただきたい。

早稲田大学でメディア研究を続ける有馬氏は、欧米の公文書館などを飛び回っては膨大な一次資料に当たり、戦後に歪められたわが国現代史の実像を発掘し続けておられる。

そもそも「北方領土の日」とは、1855年の日露和親(通好)条約を結んだ日にちなんでいる。ここからして「控えめ、遠慮深い日本人」の勘違いなのである。

1855年は安政元年。安政年間といえば、江戸幕府が軍事力を背景にした欧米列強5カ国と不平等条約を結ばざるを得なかったことで知られる。

日露和親条約はこの最たるものだ。「日米修好通商条約と違い、日露和親条約は双務的だった」と、いかにも対等な立場で締結されたと主張する左巻きの学者が実に多い。

しかし実際の締結交渉は、樺太・千島という歴史的なわが国領域へ軍事威嚇を加えながらのもので、北千島を奪われ、樺太も侵奪の突破口を掴まれてしまった。つまり、安政不平等条約の中でも、わが国が列強に領土を奪われた唯一の条約なのだ。

開発が進む択捉島 指臼山の中腹からは択捉島で最も多い3000人が暮らす紗那の街は見える。日本一大きな島、択捉島のほとんどが手つかずの原生林だ

こんな条約にちなむとなれば「同じようにロシアの強硬要求、軍事圧力に屈するのか」と思わせ兼ねない。

日本はシャム(タイ王国)と並び、アジアで列強から領土侵奪を受けなかった数少ない国だ―とよく言われるが、違う。ロシアによって領土を奪われており、ロシアは明治以前からわが国領土を侵奪した唯一の国(戦後はこれに韓国が加わり、今またシナが加わろうと狙っている)だ。

大東亜戦争敗戦後、アメリカだけでなくソビエトロシアやシナ中国共産党による洗脳工作によって、私たち日本人は自国の近現代史を捻じ曲げて認識させられ続けた。それは70年以上経ても薄らぐどころか、大学をはじめとする教育現場、日本共産党をはじめとする左翼の政党やマスコミで、逆に強まっている。

日本共産党は、北方四島の返還をめぐり、四島だけでなく全千島列島を戻すよう主張している。一見「ほぉー」と思わせるが、実はロシアを利するものでしかない。

ロシアの狙いは小さな島々より、むしろ南樺太の大地を恒久支配することだからだ。日共の歪んだ主張を篠原常一郎氏が暴いているので、紹介させていただく。

党政策委員長と参議院議員だった筆坂秀世氏の公設秘書も務めた篠原氏は、日共の内実を熟知しておられるので、その論考は生々しい。

わが国を覇権国家から守る安保法制を「戦争するための法律」とすり替え、まるでロシアやシナ中共軍が侵略しやすくしたいようにさえ見える日共。わが国北方領域についても捻じ曲げて主張していることが、篠原氏の論考でよくわかる。

そして戦後ロシアとの国交回復に当たった鳩山一郎と河野一郎の〝W一郎〟が自らの功名心のため、いかに国を売ったかを産経新聞の記事を基に別冊正論編集部がまとめているので、こちらもお読みいただきたい。

これを読めば、デタラメな談話でわが国を貶めた元官房長官河野洋平、尖閣は日本が中国から盗んだとし、ロシアの南侵を防いだ日本の朝鮮統治を侵略と単純化する元首相鳩山由紀夫の、国や国民をも売ってしまう愚かさが、父祖の代から脈々受け継がれたものであることがわかる。

コメント


認証コード1099

コメントは管理者の承認後に表示されます。