「国民の怒りがうねり始めた」

画像の説明 誰か外遊を止めてくれ~。

欧米や中東諸国を歴訪し、巨額の無償援助や融資を表明している中国の習近平主席に対し、中国国内から反発が出ている。

国内では最近、株価低迷や景気減速で資金繰りに苦しむ企業が多く、給料がもらえない出稼ぎ労働者のデモも頻発。ネット上では「お金があるなら国内に回して」といった意見が多く寄せられている。

習主席は1月中旬の中東訪問の際、エジプトの首都カイロのアラブ連盟本部で演説し、中東の産業育成に350億ドルを融資すると表明したほか、アラブ首長国連邦などとエネルギー投資とインフラ建設のため200億ドルの投資ファンドを設立することも約束した。

また、無償援助としては、シリアなどの難民支援に約3500万ドル、パレスチナ問題解決に約800万ドルなど、中東諸国に総額6兆3千億円相当の経済支援を約束した。

背景には、同地域での中国の影響力拡大を図りたい思惑があるが、中国国内では「またわれわれの税金をばらまいてきた」「だれか習主席の外遊を止めてくれ」といった書き込みがネットに殺到した。

習近平政権は、東、南シナ海での外洋拡張や人権問題で欧米や日本と対立することが増える一方、発展途上国との関係を重視する外交を展開している。毛沢東時代と同様、アフリカや中南米などの国に支援することで国際社会における存在感を高める狙いがある。

習主席はまた、昨年9月の国連演説で、「最も発展の遅れた国、内陸の発展途上国、小さな島嶼(とうしょ)発展途上国に対し、2015年末に返済期限を迎える中国の未償還債務をすべて免除する」と発表した。

しかし、つい数年前まで経済援助を受ける側にいた中国が支援国に急変したことに戸惑いを覚える市民も多い。

国内には現在も約2億人の貧困人口を抱えている。政府の財政状況は決して良いわけでなく、少子高齢化で医療保険、年金などは破綻的な危機にあると伝えられている。

楼継偉財務相が今年1月に共産党機関誌で「今後、年金生活者から医療保険料を請求することを検討している」との論文を発表して年金生活者から猛反発を受け、「外国に出す金があれば年金に回してほしい」との意見も噴出した。

共産党関係者は「党内にも習主席のばらまき外交を疑問視する声がある。

経済がこれ以上悪くなれば習主席の責任を問う声が出る可能性もある」と話した。

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