「時間の無駄」

画像の説明 日本製品やドイツ製品の品質は高いが、中国製品の品質は劣る。

中国は自国製品の品質を向上させなければならない――。中国製造業に対するこの種の提言は中国国内・国外からよく聞かれるが、中国メディアの今日頭条は26日付の記事で、このテーマについて論じ、中国製品の品質を向上させるためには「技術労働者に対する支援が必要」と論じた。

「中国製品の品質を上げるために、中国はドイツや日本の民族性や文化から学ぶべきだ」とする提言はよく耳にするところだが、記事はこの種の提言に対して「それは時間の無駄だ」と異議を唱えている。

続けて、中国人が技術職を敬遠する傾向が強く、むしろ不動産や金融など、いわゆるカネを稼げる仕事を望む人が多い点を指摘。そして、それは技術労働者に対する社会の経済構造のあり方に問題があるからだとして改善点を述べている。

改善点の1つ目は企業幹部と技術労働者の給与待遇格差の是正、2つ目に労災発生時の保障、そして3つ目に社会に存在する「手っ取り早く金儲けする道」、つまり金融・不動産業などへの人材流出を抑制することだ。

さらに、日本やドイツの製造業が品質の良い製品を生産できるのは決して民族性・文化・愛国心・会社への忠誠心からではなく、企業が給与や社会保障の面で技術労働者を力強く支援しているからだと主張。

「社長が海辺の別荘や大きな家を買えるのに技術労働者は家を買えない。こういう国で技術労働者を職業として選ぶ人は当然いない」と記事は締めくくっている。

記事の最後のこの一言に、中国の社会背景が反映されている。たとえば中国人女性は結婚相手に「家を買える経済力があるか」という点をもっとも重要な条件として選ぶ傾向にある。

そうした財産を重視する社会背景や拝金主義も、人びとの仕事に対する考え方に影響を与えているのではないだろうか。

「ものづくり」や「仕事そのもの」に打ち込むことに意義を見出す日本人とは異なり、中国人は成功や仕事の意義を金銭的な観点から計る傾向があるように思える。

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