「全てが技術」

画像の説明 東日本大震災の発生時、東京-新青森間を複数の新幹線が営業運転を行っていた。

だが、早期地震検知システムなどの技術によって非常ブレーキが首尾よく働き、新幹線はすべて停止。1人のけが人も出さなかった。

新幹線の速度は時速270kmを超えるだけに、新幹線の安全技術は「全世界の神話になった」と中国メディアの今日頭条は絶賛する。しかし記事は、新幹線の安全技術に匹敵するほど新幹線を美しく飾るものとして清掃員の「おもてなし」の精神を絶賛、また日本人が持つ職業に対する見方についても称賛している。

記事は新幹線清掃チーム「TESSEI」に注目、7分間で行う清掃内容を簡単に説明しているが、記事が特に注目しているのは「おもてなし」の精神だ。

「新幹線がホームに入るとき、清掃チームは並んで心をこめて一礼をし、列車と乗客が安全に到着したことを恭しく迎える。清掃を終えると清掃チームは乗車待ちの人びとに心をこめて一礼するが、これは“長らくお待たせいたしました。どうぞご乗車ください、快適な旅になりますように”という意味がある」と紹介。

さらに、「TESSEI」のおもてなしの精神は、「礼に始まり礼に終わる」日本に息づく武道の精神が表れているかのようだと伝え、乗客は清掃員に対して心からの拍手を送っていると紹介した。

このように記事は7分で清掃を終えるスピードや清掃技術の高さよりも、「清掃」という仕事に心を込めて携わる人びとがいること、そして心を込めて清掃業に従事する人びとを称賛する社会を絶賛している。

この光景は中国社会に感動を生じさせるようだ。なぜなら、中国社会では清掃業に携わる人を「学のない人」とみなすことがあり、清掃業は「ステータスの低い仕事」と認識されがちだからだ。中国メディアは心をこめて働く「TESSEI」の姿とそれを称賛する社会に、「仕事に貴賤はない」という職業に対する日本人の平等意識が表現されていると論じている。

記事の作者は最後に中国の高速鉄道に乗車したときの経験を紹介、乗車したときには床にたくさんゴミが落ちており、清掃員がゴミを回収しきっていなかったことに触れている。

清掃員の仕事に対する見方や清掃員に対する社会の見方が仕事の質に影響しているのではないだろうか。作者は「日本であれば乗客にさわやかに利用してもらうために、こういう点は絶対に妥協しない」と述べ、このような日本の清掃員の精神は「絶対に正しい」と称賛している。

日本人が持つ「おもてなし」の精神と職業に対する見方は、新幹線の最高水準の安全技術に勝るとも劣らない形で中国社会の心を捉えている。

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