「これから1年が見もの」

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IMF(国際通貨基金)は遂に中国人民元を準備資産「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に加えることを決めました。

しかもIMFは元をドル、ユーロにつぐ第3の通貨とし、日本の円、英國のポンドより上位に位置づけました。

あらゆる資格から検討しても元は、絶対に国際基軸通貨になり得ないにも関わらずIMF はSDRの採用に踏み切りました。別の国際金融筋は「IMFは大局観を失っている」と批判しています。

フランス出身でIMFトップのラガルド専務理事が2011年6月に選出された事を中国はチャンスと見て徹底的にラガルド専務理事に取り入りました。

中国の袖の下と圧力によりラガルド専務は、わざわざ副専務理事のポストを3人から4人に増やして中国に割り当てます。このように中国は着々とSDR入に向けて動いていました。

しかし4年前に比べて中国経済失速が大きくなり遂に「経済崩壊が本格化」と、多くの新聞報道に載り始めました。

それにも関わらずここに至ってオズボーン英財務相やサバン仏財務相が人民元のSDR採用を支持する始末、その上あれほど反対していたオバマ政権が、中国が金融の自由化を約束した途端「IMFの条件に合えばSDR入りを支持する」豹変してしまった。

それというのもオバマ政権を支配しているのはウオ―ル街の金融大手です。その金融大手のシティ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなどが元で大儲けを企んで、中国の4大国有銀行と組んで元決済センターの開設準備を始めています。

そして排ガス不正で販売が急速に落ち込んでいる独フォルクスワーゲンは、日本の自動車部品メーカーの決済を「元」決済に強要しています

ちなみにVWを窮地に陥いらせたのは京都市に本社がある計測器メーカー、堀場製作所のポータブル測定器だったそうです。

VWは既に欧州部品メーカーとの決済通貨は元に切り替え始めていると言っています。VWは中国国内で稼いだ大量の元を欧州でユーロに両替すると手数料が掛かり為替差損益に一喜一憂してしまうからです。だから元をそのまま部品メーカーへの支払いに回すことできれば都合がいいからです。

この世界の流れを感じた日本の銀行はいち早く元決済ビジネスに走りだしています。

中国の思惑は、世界の国々が外貨準備に元を組入、世界の企業が貿易取引で元決済を増やせばドル基軸通貨体制に風穴を開けることができるからです。そして中国の次なる戦略は中東やアフリカの産油国からの原油の代金決済をドル建てから元建てに切り替えさせる事を宣言しています。

しかしメジャーが仕切るドルの国際石油秩序に中国が侵入することは、米国の命綱を切ってしまうことになります。これこそアメリカが一番恐れる事で、中国は遂に米国の虎の尾を踏んでしまうのか!

オバマ政権の中枢は金にしか興味のないウオ―ル街出身者で占めていますが、しかしアメリカの力が弱くなれば大手金融筋の力も必然的に弱くなります、そんなことを彼らは許すはずがありません。

中国はやり過ぎ、急ぎです。実力も実績もないのに自分を過大評価しすぎています。元が実際にSDRに組み入れられるのは来年の10月からです。それまで現状維持出来るのか、今後も元の相場安定を確保したいなら、外貨準備を取り崩して元買いドル売りをしなければならないが、外貨準備は減り続けています。

中国がSDR入り出来る条件は元の為替制度と金融市場を他のSDR通貨と同じように完全自由化させることですが、ところが肝心のIMFのラガルド専務理事は「市場改革が進むかどうか今後も監視していく」とは呆れてものもいえません。

完全自由化しないのならSDR入りは出来ないとは言っていない。ということは、中国はこのまま為替管理を続けるという
ことです。

今の中国は、消費、生産、金融、そして不動産や株市場、不良債権など経済のありとあらゆる領域において大不況の冷たい風が吹き荒れています。中国経済はただ今壮大なる崩壊へ向かっている最中です。

このような経済減速が鮮明な中国が人民元の取引の自由化を進めれば、海外への資本流出を加速させ、元の信認は下がり、その通貨は受け取られにくくなります。中国は実体経済低迷のツケをお得意の相場操縦でごまかそうとしています。

米連邦準備制度理事会(FRB)が来年早々ゼロ金利の解除に踏み切ればドル買が進み、元は確実に暴落します。国際金融市場は元安におびえています。

経済の失速で元暴落のリスクがくすぶる中、人民元の国際化は夢のまた夢です。

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