「はっきり言うと消え去るだけ」

画像の説明 維新の党のリーダーに再選された松野頼久代表は6日の臨時党大会で、民主党などを巻き込んだ野党再編の実現に強い意欲を示した。

とはいえ、分裂で勢力が大きく後退した維新の足元を見始めた民主党が、松野氏が描く「全党解党→新党結成」に応じる保証はない。船出した「新松野丸」がむなしく漂流を続ける可能性もある。

「薩長連合によって倒幕をするのが維新だ。野党として政権交代を目指して頑張っていきたい」

松野氏は臨時党大会後の記者会見で党名と幕末の政治状況を結びつけてこう訴え、安倍晋三政権の打倒に向けて民主党に共闘を呼びかけた。来年1月4日召集の通常国会を視野に年内に民主党などと統一会派を結成し、その流れに乗って来年夏の参院選前に新党結成を実現させたい考えだ。

ただ、野党再編のシナリオが松野氏の思惑通りに進むかどうかは不透明だ。分裂により維新の勢力は51人から26人に激減。しかも比例復活当選の松野氏を含め、選挙区で勝ち上がった議員はほとんどいない。

一方、松野氏らとたもとを分かった橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」は11月の府知事・市長の大阪ダブル選で完勝し、底力を見せつけた。民主党内には「影響力を失った松野維新のために民主党の解党はできない。野党再編は橋下氏たちと話し合うべきだ」(中堅)との声もある。

民主、維新両党の協力が統一会派にとどまれば、数で劣る維新は国会で存在感を発揮できないまま参院選に突入することになる。

薩摩と長州はともに雄藩だったが、地力に欠ける維新は民主党の陰に隠れて存在感を失う可能性があるのだ。

今回の新人事では、党運営に影響力を持つ代表や幹事長ら5役のうち、4役を民主党出身者が占めることになった。旧結いの党系の登用は1人減って小野次郎政調会長だけとなった。

「あまり表に出てこないが、大変な仕事をしていただいている」

松野氏は臨時党大会でわざわざこう述べ、旧結い系を率いる江田憲司前代表をねぎらった。

だが、松野氏との一騎打ちに敗れた小野氏は記者団に対し、さっそく「あわてて民主党と統一会派を組むとか、一つの党になるんだということにばかり目が行かないように」と語り、統一会派結成を急ぐ松野氏を牽制(けんせい)した。

大阪系との分裂交渉も決着していない中、松野氏は党運営でも難しいかじ取りを余儀なくされそうだ。

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