「発見」

画像の説明 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が違法ソフトで排ガス規制を逃れていた問題で、発覚のきっかけとなった実験を行った米ウェストバージニア大に注目が集まっている。

同大学は過去にもディーゼルエンジンの排ガス規制逃れの解明に貢献したことがあり、一地方大学の実験能力に驚きの声があがっている。

同大学の研究班は、自動車などの環境性能向上を目的とする米民間非営利団体(NPO)の依頼を受けて、BMWのスポーツ用多目的車「X5」、VWの乗用車「ジェッタ」「パサート」のディーゼル3車種の排ガスの成分を、実際に路上を走行させて実験した。

欧米メディアによると、研究班に実験を依頼した米NPOは当初、欧州車の環境性能の高さを立証して、欧州でも米国並みの高い排ガス基準を作るよう促すつもりだった。NPOの関係者は「VWやBMWを疑うつもりは全くなかった」と話している。

ところが実験を行ってみると、「ジェッタ」と「パサート」で排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の量が、最大でそれぞれ基準の35倍、20倍に達した。

研究班は昨年5月に実験結果を公表した。この結果を知った米環境保護局(EPA)が改めて調査結果を確認して、VWを追及。VWは当初、路上走行時に浄化機能が低下する原因は「技術的な問題」にあるなどと釈明していたが、EPAが2016年型製品の承認を出さないと警告したため、違法ソフトによる不正行為を認めたという。

ロイター通信によると、研究班は15年以上前、路上走行中の排ガスの成分を測定する小型の装置を開発した。

1998年には、米重機大手キャタピラーなど7社が大型ディーゼルエンジン車に搭載した違法ソフトで、高速道路走行時の排ガス浄化機能を低下させていた問題の解明に協力した実績がある。

世界最大の自動車メーカーの座をうかがうVWは、「クリーン」を売りにしてきた。しかし、一地方大学の実験で、もののみごとに覆された。

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