「苦しい立場」

画像の説明  韓国の民間調査機関「韓国ギャラップ」によると、今月1日~3日に実施した世論調査で、朴槿恵大統領の職務遂行を肯定的に評価するという回答が前週の調査に比べ5ポイント増加し、54%になったようです。

肯定的に評価した回答者のうち、36%が北朝鮮・安保政策、17%が外交・国際関係をそれぞれ理由に挙げているにですけれども、朴大統領の支持率は、8月25日の南北高官会談での合意発表後から急上昇しているところと考えあわせると、北朝鮮との紛争を回避したことが主に評価されたものと思われます。

また、それに加えて、3日に北京で行われた抗日式典に参加したことも、幾ばくか支持率にプラスされていると思われます。

韓国の世論調査会社、リアルメーターが8月31日~9月4日に掛けて行った世論調査でも、朴大統領の支持率は50.4%と41週ぶりに5割を超えたのですけれども、抗日式典に参加した3日から2日間は支持率が6.1ポイント上昇し、53.8%と今年最高を更新したそうです。

こちらのシンシアリー殿のブログでは、「朴槿恵大統領の親中政策は『国民的』支持を得ていると見ていいでしょう」と指摘されていますけれども、要するに、"親中"でも支持率は上がるということです。

まぁ、一応、韓国とて、選挙で大統領を選ぶ"民主国家"ですから、国民が親中を望むのならば、それに従うのが決まりといえば、決まりなのですけれども、それがいつも正しい答えであるという保証はありません。

韓国が急に中国に接近する理由については、こちらで、「金正恩氏への対抗」と「中国こそアジアの未来の安全保障を担う存在であると意識している」である、とのイギリス・ノッティンガム大学現代中国学学院の姚樹潔・学院長の分析を紹介していますけれども、金正恩氏への対抗は兎も角、中国がアジアの未来の安全保障を担うのかどうかは、これからの話です。

もし、これが確実なのであれば、韓国以外の周辺国も同じく中国に靡く動きを見せてもおかしくない筈ですね。けれども、そんな動きはない。

つまり、今回の韓国の中国への接近は、結果として、勇み足になるかもしれないということです。

そして、当たり前ですけれども、今回の朴大統領の訪中に、アメリカは相当怒っています。

9月3日、マーク・トナー国務省副報道官は「地域内の他の国とどのような関係を結ぶかを決めるのは韓国の主権事項」と、韓国の判断を"尊重"するという立場を取っていますけれども、あるシンクタンクの専門家によると「朴大統領の戦勝式典への出席について、ワシントンの全般的な雰囲気はかなり否定的」だということのようです。

あれ程、式典には参加するな、と釘をさしていたにも関わらず参加しましたからね。裏切りと受け取られても仕方ないと思います。

まぁ、その一方、来月18日に海上自衛隊が開催する国際観艦式に、韓国海軍の艦艇1隻を派遣することを明らかにしていますけれども、或はこれも、アメリカや日本に対して配慮することでバランスを取ろうとしているのかもしれません。要するに、お得意の"二股外交"ですね。

けれども、日本の国際観艦式に参加することについて、今度は中国側から反発が出ているんすね。

中国メディアからは「どういうつもりなのか」と指摘され、更に、中国のネットユーザーからは「ダブルスタンダードだ!」、「日本にへつらうのか?」、「この裏切り者め」、「喉元過ぎればなんとやらだな。あとで泣きついてくるなよ」と怒りの声が上がっています。

まぁ、こんなに露骨な二股外交を見せられれば、そう反応するのが普通です。どう立て直す積りなのか皆目見当がつきません。

朴大統領は、10月に訪米すると言われていますけれども、恐らくアメリカは、THAAD配備など、懸案事項の解決を韓国に迫ってくると思います。それにどう答えるのか。

いよいよ逃げ場がなくなったように思いますね。

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