【上海株暴落】

画像の説明 中国バブル相場崩壊の前兆 前週から下げ止まらず 「所得倍増計画」に黄信号

深刻な表情で株価の推移を見守る市民
中国で株式市場の下落が止まらない。上海市場全体の値動きを示す上海総合指数は26日、前日終値比7.4%の急落となる4192.9で引けた。前週末19日の終値からみて、連休明け23日からの4日間で6%を超える下落だ。

その前週は5日間で13%も暴落。2008年のリーマン・ショック以来の大きな下げ幅で、市場関係者は「バブル相場崩壊の前兆ではないか」とみている。製造業などは軒並み不振で、実体経済の裏打ちのない株式相場の脆弱性が浮き彫りになった。

上海では昨年11月の2年4カ月ぶりの利下げや、香港との株式相互取引スタートを材料に、携帯電話などで1日に何度も短期売買を繰り返す個人投資家が中心となって買いが殺到。2度の追加利下げによる金融緩和期待なども膨らんで、今月12日には年初来最高値の5178.2を付けた。

しかし、リスクの高い信用取引への規制強化や金融政策の先行きに対する懸念が広がった。「半年以上にわたる上昇相場が勢いを失うとの高値警戒感から2週間で個人投資家の多くがパニック売りに走った」(市場関係者)という。

26日は深センも総合指数が7.9%下落。香港ハンセン指数が1.6%下げて中国株はほぼ全面安の展開だった。

日米欧などの市場が機関投資家中心なのに対し、中国は市場の8割が売買経験の少ない個人投資家という状況で、わずかな材料でも相場が大きく変動する。

その分、身近な経済政策に敏感に反応する。経済アナリストによると新たに不安視され始めたのは、「2020年に名目の国内総生産(GDP)と個人所得を10年比で倍増させる」と中国共産党が12年11月に打ち上げた公約に“黄信号”がともり始めたこと。共産党と政府が年内にも策定する16年からの「第13次5カ年計画」で、年率の成長率目標が現行より0.5ポイント低い6.5%に設定される、との報道が相次いでいる。

市場では11~15年の第12次5カ年で設定された目標と同じ7.0%を継続しなければ、GDPも個人所得も倍増計画の達成は難しいとの見方が主流。株式以外に頼みの綱の不動産市況も低迷続きだ。

このため、成長率目標の見直し観測で個人投資家は所得倍増計画は達成できず、株式市場も伸び悩むとみて資金を預金に戻すケースが増えてきた。

思惑買いのバブル相場となった中国株は、個人投資家の失望感とともに引き潮が始まったようだが、下落局面が週明け以降も続けば鈍化傾向にある中国の製造業や不動産などの資金調達にも影を落とし、実体経済の足を引っ張る。東京やニューヨークなどの市場にも飛び火する懸念があり、市場は警戒を強めている。

他山の石・・・

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