「矛盾」

画像の説明 米軍キャンプ・ハンセンを背にする小橋川昭さん。フェンスの向こうには各地域がかつて管理していた山林がある

国内の米軍専用施設の4分の3が集中する沖縄では、米軍基地が使う土地の賃貸料として自治体に入る「軍用地料」の収入が、住民生活に浸透している地域がある。収入の有無は地域によって異なり、住民間にきしみも生まれている。15日で本土復帰から43年。重い基地負担の一方で、基地マネーが住民を翻弄(ほんろう)する。

配られた茶封筒の中身を見て、女性(62)は言いようのない不安を感じた。「集会に顔を出しただけでこんなにもらっていいのだろうか」

4月下旬、沖縄県宜野座(ぎのざ)村。「区」と呼ばれる地域ごとの住民自治組織の年次総会後、世帯ごとに配られた封筒には、現金5千円が入っていた。

宜野座村は、村の面積約3千ヘクタールの半分ほどを米軍基地「キャンプ・ハンセン」が占める。基地内に村有地があるため、村には毎年、約20億円の軍用地料が国から入る。集会で配られた現金は、村が区に分配した軍用地料の一部だ。女性は毎年、約30万円の支給も受ける。「地域のために使おうと思うが、もらえて当然と考える人も多い。これでは『基地を返せ』という声も大きな訴えにはならない」

■「山林戻っても」

2013年度、宜野座村の歳入に占める基地関係収入の割合は31・8%で、県内で2番目に多かった。軍用地料は道路や下水道の整備などに使われる。地域住民がかつて、基地内の土地を管理し、木を切り出すなどの共同利用をする「入会(いりあい)権」を持っていた場合、村は軍用地料を区にも分配している。区は現金支給や農薬購入費の補助、奨学金などに充てている。

軍用地料を受け取る区の一つは、学童保育を整え、月2900円の給食費も全額補助。小6になると、区が旅費を負担しての北海道旅行が恒例だ。軍用地料収入がない区にこうした恩恵はない。小学生の子を持つ30歳代の女性は「基地があることで不平等が生まれるなんて、納得できない」。

元区長で村議の山内昌慶さん(71)は「高額の軍用地料が入る区の住民は『基地出て行け』と言いづらい状態になっている」と指摘する。

宜野座村に隣接する金武(きん)町も、町内5区のうち4区の関連団体に毎年、億単位の軍用地料を分配する。毎年40万円を受け取る会社員の男性(60)は言う。「大切な収入。今さら基地を返されても、山林を耕そうって人はいないでしょ」

町内に住む小橋川昭さん(58)は03年、裁判を起こした。以前は軍用地料の分配がある区の住民だったが、区の再編で別の区に属することになり、分配を受けられないためだ。同じ境遇の約100人とともに分配を主張したが、認められなかった。「基地があることによる格差を是正したかった。財政的に裕福な地区とそうでない地区で目に見えない溝を感じる」

■辺野古に波風

米軍普天間飛行場の移設予定地を抱える名護市。90年、日米政府は市内の許田(きょだ)、幸喜(こうき)、喜瀬(きせ)の3区にまたがるキャンプ・ハンセンの一部計約162ヘクタールの返還方針に合意した。しかし、3区はそろって反対を唱えた。返還地は山林のため跡地利用が困難で、軍用地料がなくなれば、地域活動を支える大きな財源を失うことになる――。こんな理由だが、米軍は昨年、幸喜区の約55ヘクタールだけを返還した。

幸喜区だけが返還されたことに、地元では今も疑問の声がある。普天間移設に対する区の態度が関係したのでは、という疑念だ。許田と喜瀬の2区は移設計画を容認する態度を示していたが、幸喜区は態度を明確にしていなかった。

「移設問題で国の意に沿うかどうかで、返還について差別したとしか受け取れない。見せしめだ」。幸喜区を地盤とする市議で、辺野古移設に反対する大城敬人(よしたみ)さん(74)は憤る。

昨年9月の名護市議選では、こんなビラがまかれた。

「大城氏の政治判断で2千万円が区に入らなくなった」

■現状、正常ではない

軍用地料の問題に詳しい沖縄国際大学の来間泰男名誉教授の話市町村を通じて「区」に分配される軍用地料は、大きな問題をはらむ。各種費用の補助に充てられたりしているが、かつては地域住民で山林を管理し、薪などを切り出して稼いでいた収入が、今は勤労を伴わない収入になっている。受け取る側を批判するわけではないが、今の状態は正常とはいえない。

基地を維持したいという思いにもつながっている。基地返還を進め、本来の姿に戻すべきだ。

お金がすべてを狂わしているのか?
矛盾を利用して県外からの左巻きが、沖縄県民のふりして反日売国政府を樹立しようと騒いでいるが・?

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