「裸の大将?」

画像の説明 「プーチン」のメンツ丸つぶれ…対露関係「悪化」不可避でも「正恩」訪露キャンセルの〝取り沙汰される3つの理由〟

何事にも「皇帝」のご機嫌を伺わなければ自分の命すら守れない独裁体制はいつまで維持できるのか・・・・

北朝鮮の金正恩第1書記がロシアの対独戦勝70周年式典への出席をキャンセルした。金正恩氏の出席を「確実だ」をしてきたロシア政府はメンツを潰された格好。蜜月だった朝露関係への影響も避けられない。

理由についてロシア側は「北朝鮮の内部事情」としているが背景は不明で憶測も呼んでいる。北朝鮮は金氏の訪露を正式発表していたわけではないが、金正恩氏の〝国際デビュー〟にはミソがついた印象だ。マイナスは承知でプーチン氏の招待を断った金正恩氏側の事情とは?

キャンセル事情、取り沙汰される3つの理由

まず韓国で取り沙汰されているのは、「北朝鮮側が儀典上で金正恩氏への特別待遇の要求したが、ロシア側が難色を示した」(韓国紙)ため、結局、北朝鮮がキャンセルの挙に出た―との見方だ。

世界の首脳では中国の習近平国家主席が出席の意向のほか、インド、キューバなどロシア寄りの約30カ国首脳が出席予定だが、金正恩氏にとっては華々しい国際デビュー。

「横並びでは不満」というわけだ。ウクライナ問題で米、英、仏、独、日、韓など主要欧米諸国、アジア首脳は見合わせたが、それでも大物は来る。「金正恩氏は態度が横柄で大物ぶっているが、所詮、側近に準備された北朝鮮国内でのこと。傲慢さは小心の裏返しということもある。シナリオなき国際舞台で特別演出がなければ堪えられないということだ」

次にプーチン氏との首脳会談テーマで北朝鮮の要求が通らなかったとの説。

露朝は最近、今年を「親善の年」と位置づけ、北朝鮮から要人が続々とロシア入りした。4月中旬、玄永哲・人民武力部長と盧斗哲副総理がモスクワ入り。アレクサンドル・マチュゴラ駐北朝鮮ロシア大使は最近、タス通信に「両国は最高レベルと高官レベルで積極的に政治的対話を続けている」「北朝鮮の鉱物資源開発のため、ロシア資本の投入を優先的に考慮している」などと述べ、北朝鮮に大サービスしてきた。

予定通り金正恩氏が訪露すれば露朝首脳会談で「サハリンからウラジオストク経由で北朝鮮の羅津に至るガスパイプライン事業を合意する予定」だったとされていた。この〝果実〟をめぐって北朝鮮側がゴネた可能性もある。

3番目は国内の不穏な動きが発覚か、との説だ。

金正恩氏の訪露は世界中が注視していたが、「土壇場で中止か」との見方は以前からあった。不透明な国内事情のためだ。4年目に入った金正恩体制だが、2013年末に叔父、張成沢氏粛清、その後始まった全国での粛清は現在も続いている。

先日韓国の情報機関が韓国国会に「北朝鮮は今年に入って高官15人を処刑した」と報告したが、「金正恩体制下での粛清はすでに約4000人」(情報筋)ともされる。

忠誠心競争と権力闘争はさまざまな形で続いているとされるなか、金正恩氏の外遊には国内事情の安定が最低条件。ロシアが戦勝記念日の招請状を送ったのは昨年12月。ロシア政府は今年1月に「前向きなサインを得ている」として以来、たびたび「金正恩氏は訪露する」としてきただけに、突然の中止は「内政で何らかの重大な不安材料が顕在化したのではないか」との観測も出ている。

中国に代わるスポンサーを探してロシアとの蜜月に執心していた北朝鮮が突然、約束を反故にした理由は①儀典か②お土産不足かそれとも③内部不安なのか―各国情報機関の注目が集まっている。

中国が対日戦勝70周年に金正恩氏を招待、さてどうする?

一方の中国は先月中旬、9月の対日戦勝70周年の軍事パレードに金正恩氏を招いたことを明らかにした。

習近平体制で中朝が冷却化したのは2013年の核実験と親中派、張成沢氏を粛清が理由。張氏粛清後から原油の供給を止め経済援助を大きく減らした。党、軍、政府要人の往来はストップし関係は冷え込んだ。その中朝関係で中国側に変化がみえはじめたのは3月初旬。王毅外相が全国人民代表大会(全人代=国会)の記者会見で北朝鮮との関係について「正常な発展に向けて努力している」と強調した。招待はその約1カ月後だった。

中国は何を狙っているのか。韓国・朴槿恵政権とはすでに5回の首脳会談を行った習近平氏。習近平体制の目指す「一帯一路」構想は中央アジアを経た陸上のシルクロード(一帯)と東南アジアからインドを経た海のシルクロード(一路)を実現しようというもの。朝鮮半島は一路の付け根の部分である。中朝関係に詳しい専門家は「中国は自国の核心的利益に従う。対北政策の転換は、南北を制し朝鮮半島を影響下に入れる目的だろう」とみる。

専門家は「金正恩氏は訪中できないだろう。中国が張成沢氏を使って金正恩体制を潰しに掛かっていたことは明らかだからだ。中国はそんな金正恩氏を〝招待〟して軍門に下るかどうか試そうとしているようにみえる」と分析する。

国際孤立を深める金正恩氏、デビューのメドはいまのところなさそうだ。

この先、一悶着ありそうだね・・・・ 

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