2018年11月1日よりタイトルをWCA(世界の時事)に変更しました。
個性
ゴキブリほど人間から忌み嫌われている昆虫はないだろう。
普通の昆虫なら接触せずに済むこともできるが、ゴキブリは我々の居住空間に忍び込んでくる。カサカサと素早く動く動作、茶色くて光沢を帯びたひらべったい体、本能的にどうしても受け入れられない人は多い。
だが中には、ゴキブリの生態に興味を持ち、研究を続けているものもいる。ブリュッセル自由大学の研究者たちは、ゴキブリの個性に興味を持った。
彼らは以前、ゴキブリたちの世界は民主主義でお互い意思疎通しながら生きている、という研究結果を発表しているが、今回、そんなゴキブリたちの集団意思決定システムに彼らの「個性」が影響しているの調べるために、ある実験を行ったそうだ。
実験では、16匹のオスのゴキブリを1つのグループとし、19のグループが用意された。全てのゴキブリに極小の送信機をつけ、動きを追跡できるようにした。1週間に3回、ゴキブリたちを、個別に、あるいはグループで真っ暗なプラスチックのスペースの中に放った。そこで電気をつけ、ゴキブリたちが用意されている暗闇のスペースにどのように入るか調べたのだ。
その結果、ゴキブリによって行動パターンが異なることが判明した。一目散に隠れられる場所を目がけて走っていくものもあれば、電気がついて光があてられていることに気づいていないようなおっとりタイプもいたという。
また、集団で行動しているか?個別で行動しているか?という環境的要素でさらに行動に違いが見られたという。
研究者たちは、ゴキブリには個性があり、様々な個性を持ち合わせていることこそ、ゴキブリたちがどんな環境でも生きていくことができる原因であると結論づけた・・・?。