「罪人のような生活」

画像の説明 北朝鮮:エボラ恐れ強制隔離

寒くて地獄のようだ」。北朝鮮当局がエボラ出血熱対策として実施している帰国後の隔離措置に対し、市民の間に困惑が広がっている。住民によると、地方都市では暖房のない施設に収容されるケースもあり、猛烈な寒さで「罪人のような生活を強いられている」と話す人もいる。

隔離措置は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の指示で実施された。外国人観光客の入国も昨年10月から全面禁止されている。

指導部に近い関係者によると、自国民は海外から帰国すれば検査機関に直行させられ、20日間隔離されている。金第1書記の側近である崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記や金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長も例外ではなかった。平壌には収容施設が5カ所程度あるが、昨年12月はいずれも満杯だったという。

同月、中国遼寧省丹東から国際列車で平安北道(ピョンアンプクド)新義州(シンウィジュ)に戻ったある住民は、検査を受けた後、地元の旅館に隔離された。旅館は暖房がなく、風呂にも入れないまま20日間過ごした。

この住民は年明け、中国に再び出国した際、「この冬は特に寒い。元帥様(金第1書記)の指示だから仕方がないが、罪を犯したわけでもないのに罪人のような扱いだ」とため息をついた。

エボラ対策の余波は各方面に広がっている。当局者によると、内閣傘下の貿易機関は、毎年年始に外国駐在の幹部を国内に集めて総会を開いているが、今年は中国・北京で開催することにした。

また、検査の実施機関である保健省の職員が隔離期間を短縮する見返りに賄賂を受け取った例が多発。5〜10日程度で隔離を終えた党中堅幹部らが処分されたという。

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