政界混乱、議員の9割超失職

画像の説明大統領と対立、機能不全に―ハイチ

2010年に襲った未曽有の大地震から復興を目指す西半球の最貧国ハイチで、上下両院(定数計129)議員の9割超が任期切れで失職した。マルテリー大統領と議会の対立が続き、新たな選挙のめどは立っていない。復興を先導すべき政治は空白に陥り、国連は「議会が機能不全だ」と強く非難している。

ハイチでは13年に上院議員10人が失職して以降、選挙を実施できていない。マルテリー氏と野党が改選に必要な法案に合意できないためで、今月12日には上下両院で計109人の議員も任期切れを迎えた。議席を保有する議員は定足数を満たさない上院の10人だけになり、議会は機能を停止している。

復興途上での議会の混乱は予算執行の遅れを招き、「国民生活にしわ寄せが行くのは確実」(外交筋)。ハイチでは独裁やクーデターが相次ぎ、地震前から不安定な政情が続いてきた。米国やブラジルなど主要支援国は「あらゆる政治関係者に責任を持った行動を望む」との声明を出し、早期の選挙実施を求めている。 

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