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2015.01.15
カテゴリ：ブログ
中国の環境は西洋の60倍のスピードで破壊されている！
縄文塾の中村先生が書かれている森と人の地球史に中国の環境破壊の現状に関するさまざまなデーターが掲載されていました。先生は何度か中国にも行かれ、信憑性の高い数字を抜粋されてきておられると思います。
全編リンクを読んでいただければよいのですが、その内数字に関わるものだけ抜粋させていただきました。数字から見えてくる中国の環境破壊の実態を掴んでいただければと思います。
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わずか７％という耕作可能面積に、５０％もの農民人口がすがりついており、都市部の人たちとの収入格差はますます開く一方である。ところが中共政府は、農民の都市流入を恐れて都市住民と農民をそれぞれの住民票で隔離する政策を採っているのだが、それでもなお離農して都市部を目指す民衆はあとを絶たず、しかも安い賃金を欲する工場などの希求から、農村から流れ込んだ「民工」と呼ばれる就労者が増加し、同時に職にあぶれた人たちによる犯罪も増加の一途を辿っているのが現状である。
年間平均収入は１５００ドルだといわれている。この国の２億人ほどの特権階級・企業家・高度技能者・沿海都市居住者の高所得者の収入を除外すれば、おそらく５００～１０００ドルという最貧国並みの収入で生活する人が１０億人以上もいる計算になる。
環境破壊は、特に黄河流域の黄土高原で深刻である。３５００年前のこの地には、８０％という豊かな森林地帯が占め、草原にはアジアゾウやシカが群れ遊んでいた。ところが３０００年前青銅器全盛の殷の時代には、はやくも森は約５０％に減少する。その後鉄器が普及始めた秦の時代（前221～206 ）の頃から一層の受難が続き、今ではこの地の森林面積はわずか６％に激減したといわれている。
森林破壊は、細かくて軽い黄土の流失に拍車を掛けた。加えて黄河上流における過度の農地開発による灌漑のため、取水が激増した結果下流への水量が激減してしまい、流出した表土が黄河に泥土となって堆積し、いまや河床が両岸の地面より数メートルから１０数メートルも上昇した「天井川」という、はなはだ危険な状態に陥っている。そのため年間２００日以上も水流が河口まで到達せず、すでに北京まで水が達しない状況に直面している。
工業地域の空気は汚染が進んで、衛星から探査しても（雲のないときでさえ）数カ月にわたって 一度も見えないことさえある。毎年失われる表土は五十億トンにのぼり、都市の拡大によって一一〇万エーカーの農地が消えている。数千マイルに及ぶ河川の流域は、工業廃棄物によって汚染され、沿岸漁場の三分の一は全く漁が出来なくなったしまった。そして北京の空気は、「ニューヨークの一六倍、ロンドンのじつの三十五倍も汚染されている」という。
１９９９年中国国立能源エネルギー研究所（北京）と名古屋大学工学部松岡教授（環境工学）との共同研究によると、発展著しい沿岸工業地帯の二酸化硫黄（ＳＯ2 ）の排出量は、高度成長期の日本の実に４５倍にも上ると発表された。
森林は国土全体の16．55％（１億６０００ヘクタール）と公式発表されているが、この国の統計を額面通りに信じないという人たちは、実際には約１３.７％、面積にして１３０万平方キロメートル（１億３０００ヘクタール）なのだという。木材として使用出来る森林の蓄積量の１５億立方メートルに対して、年間消費量は４億立方メートルに達するといわれるので、このまま放置すればあと数年をまたずチャイナの森林がすべて姿を消すという計算になる。
５０年前にはまだ約４０％台はあった長江流域の森林面積は、一気に約１０％台まで低下してしまったのである。行き過ぎた森林伐採によるもう一つの大きなツケは洪水の多発である。特に１９９８年７月に発生した長江および松花江・嫩江（いずれも黒竜江省）を中心に襲った（１００年に１度という）大洪水では、面積にして２０００万ヘクタール、被害人口２億５０００万人、死者３０００人と２０００億元におよぶ甚大な被害をもたらしたと言われている。
こうした乱開発や森林破壊の大きなしっぺ返しとして、いまチャイナを襲っているのが、華北・華西に向かっての急速な砂漠化の進行である。現在すでに国土の約２７％（２億６０００万ヘクタール）が砂漠化し、しかも砂漠化は毎年６７万ヘクタール以上という猛烈なスピードで進行している。
現在日本の割り箸の９０％はチャイナからの輸入だという。
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中国の現況をみる時、過去の歴史からの教訓を一切受け入れないばかりか、西洋文明が３０００年の時をかけて失ってきた森林をわずか５０年と言う短い期間に喪失しようとしている。それは皮肉にも、唯物史観という西洋発のイデオロギーを忠実に国のアイデンティティとするようになったこの国の歴史の期間とぴったり一致するのだ。