官僚支配を見事に壊した安倍首相

画像の説明 政府は平成27年度予算案の一般会計総額を96兆円―97兆円台とする方向で最終調整に入ったと。

予算案は5日から与党との協議を本格化させ、14日に閣議決定すると。

昨年末から新年にかけて、あとにも先にも大手紙が予算案の事を書いたのはこれが初めてだ。

予算案がまったく報道されないままに越年した事など、過去には決してなかったことだ。

その一方で昨年末には消費税増税や法人税減税が決めた税制改革大綱が大々的に報じられ、その税制改革が国民生活にどのような影響をあたえるかについて、大手新聞はまるで予算案が固まった時のように詳しく解説していた。

しかも各紙の解説記事は、その税制改革大綱決定に見せた安倍首相の指導力について、これは安倍首相が財務官僚をねじ伏せたのだと一様に書いていた。

そうなのだ。

安倍首相の鶴の一声で決まった税制改革大綱案が予算案に優先されたのだ。

これを要するに安倍首相は官僚の中の官僚と言われる財務官僚を屈服させたのだ。

谷内NSC局長や斎木外務事務次官は既に安倍首相の腰巾着だ。とうの昔に外務官僚は安倍首相に屈服している。

経産官僚は原発再稼働で安倍首相と一致しており、安倍様様だ。

一流官庁の官僚がこれだから、その他の官庁の官僚は推して知るべしだ。

なぜ安倍首相はかくも鉄壁と言われる官僚組織を崩せたのか。

それは人事権を最大限に使って屈服させたからだ。

かつて民主党政権が出来た時、当時の仙谷官房長官が、「会社に二人の社長は要らない」などと勇ましい事を言って事務次官ポストを廃止すると言い出したことがあった。

私は、これは物凄いことを言い出した、そができれば官僚支配を崩壊させられると評価したが、同時にいきなりそれを公言する仙谷官房長官は失敗すると思った。

なぜならば、いきなり官僚組織と正面から対決すれば、官僚たちは生き残りをかけて抵抗するからだ。

案の定、仙谷官房長官は腰砕けて豹変した。

年金改革で厚生労働大臣になった長妻昭などは、官僚からボイコットされ手も足もでない体たらくで失脚した。

なぜ民主党政権にできなかった事が安倍首相にできたのか。

それはいたずらに官僚を敵にまわすのではなく、人事権と言う最大の武器を使って従う官僚と邪魔する官僚を信賞必罰という飴と鞭で分断統治したからだ。

見事な官僚主導から政治主導だ。

国の統治体制を官僚主導から政治主導に移行させなけば日本は変われない、という主張は、私も唱えて来た理想の姿であった。

しかし、それには大前提があった。

官僚を操縦する政治指導者が正しい指導者であるということだ。

私にとっては最悪の政治主導者と思える安倍首相が、本来ならば理想であると思われた政治支配を、はじめて国民の前に見せた。

「官僚支配から政治支配」が、安倍首相の手ではじめて実現した。

最大の皮肉であり、悲劇である.

しかし官僚を支配した安倍政権は長期政権になる。

官僚を支配できなかった民主党が何をやっても、再び政権を取り戻すことはない。

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