米国防長官辞任へ

画像の説明 事実上の更迭 安保政策影響も

英ウェールズで9月に開催された北大西洋条約機構(NATO)の会議で、オバマ大統領(右)と会話するヘーゲル国防長官=

オバマ米大統領は米東部時間の24日午前(日本時間25日未明)、ヘーゲル国防長官の辞任を発表する。4日の米中間選挙でオバマ政権の与党・民主党が惨敗したことを受けて、閣僚が辞任するのは初めて。安全保障チームを立て直す中での、事実上の更迭とみられている。

中東の過激派組織「イスラム国」対策やウクライナ問題などの難題に直面する中での交代となり、オバマ政権の今後の安全保障政策にも影響しそうだ。

辞任の理由は明らかにされていない。CNNなどによると、オバマ氏とヘーゲル氏は数週間話し合いを続け、任期途中での辞任という結論に達したという。ただ、複数の米メディアは、事実上の更迭だと報じている。

中間選挙で米議会上下両院の過半数を握った共和党は、オバマ政権の「イスラム国」への対応などに批判を強めている。オバマ政権は安全保障チームの立て直しを迫られており、国防長官の交代に踏み切った形だ。

共和党の元上院議員だったヘーゲル氏は2013年2月にパネッタ前長官の後任として国防長官に就任。国防予算削減への対応やアフガニスタンからの米軍撤退、イラクやシリアでの対「イスラム国」掃討作戦などを指揮した。

ただ、就任直後からヘーゲル氏の手腕を疑問視する声が政権内外から漏れていた。ニューヨーク・タイムズによると、ホワイトハウス内には、オバマ政権の掲げる政策課題を遂行する能力や、対外的に説明する能力を疑問視する声が根強かったという。「イスラム国」への対処を巡って、国防総省とホワイトハウスの間での方針の違いも取りざたされていた。

ヘーゲル氏は後任が決まるまで国防長官にとどまる見通し。後任にはミシェル・フロノイ元国防次官、ジャック・リード上院議員(民主)、アシュトン・カーター元国防副長官らの名前が挙がっている。後任の長官は、ゲーツ、パネッタ、ヘーゲル各氏に次いでオバマ政権で4人目となる。

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