「中台統一へ妥協ない」

画像の説明 習主席、強硬姿勢へ変化

中国の習近平(シーチンピン)国家主席は26日、台湾の統一派訪問団と北京で会見した。「国家統一という重大問題では我々の立場は堅く、一切の妥協や動揺はない」と述べ、中台統一への強い思いを示した。発言全体のトーンはこれまでの台湾関連発言に比べて強硬で、台湾政策が調整された可能性がある。

中国の新華社通信によると、習氏は、香港やマカオで行われている「一国二制度」による平和的な統一が「中台統一の最も良い方式だ」と言及した。一国二制度での統一は中国の以前からの方針だが、台湾の聯合晩報によると、習氏が提起したのは2012年の共産党総書記就任後初めて。

同制度は香港行政長官の選出方法をめぐって限界が指摘されており、もともと受け入れを拒んできた台湾の総統府は「全く受け入れられない」と改めて反論。反発が広がる可能性がある。

習氏はまた、「国家の統一は中華民族が偉大な復興に進む歴史の必然」と主張。「台湾同胞も、大陸の13億人の同胞の受け止めや気持ちをもっと理解すべきだ」と求めた。さらに、「台湾独立の分裂勢力は両岸の敵意と対立をあおっている。関係の平和的発展における最大かつ現実的な脅威だ」と強く警戒。「いかなる国家分裂の行為も絶対に容認しない」と牽制(けんせい)した。

習氏は今年2月、台湾の連戦・元副総統と会談した際には「両岸は一家の情」などと強調。数百年前に中国から台湾に渡った人たちなどにも触れるなど親しみやすさをアピールしていた。

今年3月に台湾で中台の過度な接近に抵抗感を持つ学生らが立法院(国会)を占拠。その後、台湾側で中台サービス貿易協定の審議が止まり、中台協議が停滞している。習氏の姿勢の変化には、こうした状況への不満があると見られる。

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