スコットランド住民投票

画像の説明 北海油田で綱引き 英首相最後のお願いも「脅しには乗らない」 

15日、スコットランドで独立引き留めを求める演説中に顔をしかめるキャメロン英首相(ロイター)

英北部スコットランドの独立を問う住民投票を3日後に控えた15日、キャメロン英首相は独立派が掌握を狙う北海油田の開発拠点であるアバディーンを訪れ、「英国という一つの家族を引き裂かないでほしい」と訴えた。独立派は資源による「豊かな歳入」を期待するが、石油業界からは統一維持を望む声があがっている。

北海油田は、1970年代にスコットランド沖で発見された大規模油田で、英国の石油はほとんどそこから来ている。埋蔵量は依然豊富とされ、独立派はその石油など資源収入を独占することで、英国や日本などを追い抜く「スコットランド経済の奇跡」を起こしたい考えだ。英メディアによると独立の場合、石油は歳入の10~20%を占める可能性があるという。

キャメロン氏は、スコットランドの独立を「苦痛を伴う離婚だ」と述べ、「ともにつくり上げた英国という素晴らしい家に背を向けないでほしい。離婚すれば後戻りはできない」と強調した。だが、英首相の“最後のお願い”に、独立を目指すスコットランド行政府のサモンド首相は、北海石油はスコットランドのものだと述べ、「脅しには乗らない」と一蹴した。

投票前の独立引き留めに向けた動きが活発化するなか、投票への不介入の姿勢を示していたエリザベス英女王も14日、スコットランドの人々が「将来のことを慎重に考えるよう望んでいる」と異例のコメント。スコットランドのバルモラル城近くの教会で日曜の礼拝に出席した後、集まった市民と言葉を交わす中で発言した。

女王は、75年にアバディーンで行われた北海油田初の石油パイプラインの開通式にも出席、「英国の富」の増大を祝っていた。

英石油大手BPのダドリー最高経営責任者(CEO)は「産油量が減っている北海石油の開発には、財政面の安定性と確実性が必要だ」と強調し、北海石油産業の将来には「英国の統一性と制度を維持するのが最も望ましい」と述べた。

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