要注意 農業ダム

画像の説明 510の農業ダム・池、耐震不足 全国点検、なお数千カ所調査中

東日本大震災で農業用ダムが決壊して死者が出たことから、全国の自治体がダムやため池の一斉点検を進めている。これまでの調査で少なくとも約510カ所で、水をせき止める堤体が耐震不足であることがわかった。このほかの数千カ所でも耐震調査を進めており、耐震不足は増えそうだ。農林水産省はため池の改修やハザードマップの整備を各自治体に求めている。

農水省は2013年度から、規模が大きく、周囲の人家に被害が出る可能性があるため池について、目視による一斉点検を各自治体に求めている。対象は全国で約11万カ所あり、2年間かけて点検し、問題があるものを絞り込む。

今月、一斉点検の状況を各都道府県に聞いたところ、少なくとも計7万カ所の検査が終わっていた。いまの国の基準ではそれぞれの土地で100年に1回程度起こる中規模な地震に耐える必要があるが、42道府県の6千カ所ではそれを満たしていない可能性もあり耐震調査の対象になった。今月までにその調査を終えた13道府県の計1400カ所のうち約510カ所が耐震不足だった。

東日本大震災では、福島県須賀川市の藤沼ダムが決壊した。約150万トンの水がすべて流れ出し、下流の住宅が流されるなどして、7人が死亡、1人が行方不明に、家屋22棟が全壊した。

福島県の調査によると、地震の揺れで堤体が液状化したという。調査にあたった田中忠次・東大名誉教授は「地震によるダムの決壊は世界でもほとんど例がない。国内のため池やダムには古くて、構造がわからないものも多く、決壊する可能性がないとはいえない」と警告する。

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