チャリティ

th (5) ガッチリ稼ぐ日本テレビ

チャリティ(charity)とは、「慈善」「博愛」などを意味する言葉で、これらの精神に基づいて行われる活動や行為またはそれを行う組織のことです。

1971年にジョージ・ハリスンは、開催したチャリティ・コンサートで、ギャラを要求しないで出演しました。その頃はギャラなしで出演することに躊躇するアーティストがほとんどだったようです。しかし、それ以降はギャラなしで出演するアーティストが増えていき、海外ではチャリティ・イベントでギャラを受け取らないことが一般的になりました。

40年以上アメリカで続いているチャリティ番組では、毎年司会を務めているコメディアンはもちろん、セリーヌ・ディオンなど大物のゲストもノーギャラで出演しています。フランスのチャリティ番組でも、出演者は全員ボランティアですのでギャラを受け取っていません。

また、これらのチャリティ番組にはスポンサーがつきますが、スポンサー料は全て寄付に回されます。そのため、アメリカのチャリティ番組ではCMは一切流れないようです。

これは、少しでも多くのお金をできるだけ寄付に回すべきだという考えがあるからです。出演者にギャラを支払うのであれば、その分を寄付に回した方がチャリティの精神にかなっているということです。そういうことを理解して、スポンサーもCMを流さないにもかかわらず、スポンサー料を出しています。

海外では、チャリティについてこのような認識がありますので、日本テレビの24時間テレビの実態を知ると非常に驚くようです。

24時間テレビでは、ほとんど全ての出演者にギャラが発生しているからです。ギャラの総額は2~3億と言われています。

昨年の24時間テレビでは、番組制作費は4億2,000万円、CM収入は22億2,750万円だったようです。メインパーソナリティのギャラは5,000万円、総合司会は500万円、チャリティ・マラソンのランナーは1,000万円だったようです。

日本テレビは以前、放送倫理・番組向上機構に対して「基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間が長い方など、場合によっては謝礼という形で幾らかのお支払いをしております。」と回答しています。しかし、上記以外の出演者にも、数十万円から数百万円のギャラを支払っているようです。

出演者にギャラを支払っているのは、24時間テレビで多くの利益を出していることを関係者が皆知っているのが理由のようです。日本テレビが多額の利益を得ているのに、出演者にはノーギャラでというわけにはいかないようです。

1991年に司会を務めた帰国子女の西田ひかるは、ギャラが出たことに唖然としていたようです。明石家さんまが出演したときは、チャリティ番組だからギャラを寄付したいと申し出ましたが、他の出演者の手前そういうことはできないからと、日本テレビは全額を支払いました。本人は納得できなかったため、それ以降24時間テレビには出演していません。

また、寄付金は全額を寄付していて、経費には一切回していないと日本テレビは公表しています。寄付金には、グッズの収益金も寄付していると説明をしています。

2013年は1,500円のTシャツが124万4,469枚売れて、約18億6,670万円の売り上げがありました。Tシャツの原価は200~300円ですし、販売代行をしたイオンは手数料を一切受け取っていませんでした。したがって、原価を除くと約15億円の収益金となります。タオルや携帯ストラップなど他のグッズ販売を含めると、30億円近い収益金があったことが予想されます。

しかし、2013年の寄付総額は15億4,522万円と発表されています。Tシャツの収益金とほぼ同じ金額ですから、その他のグッズ収益や募金、CM収入の多くはどこに消えてしまったのでしょうか・・・

日本ではチャリティと銘打って、ビジネスを行い利益を得ることは他にもあるようです。元サッカー選手の中田英寿氏が設立した「Take Action Foundation」は、そこで得た収益金を慈善活動に充てていますが、多くの利益も得ています。中田氏は、この活動をビジネスと公言しています。

日本ではチャリティを行っている主催者のる考え方が、海外とは異なっているような気がします。

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