北の貨物船受け入れ

縁側 国際社会欺いた中国 

対北制裁に限界

国連の制裁対象に追加された北朝鮮の海運大手が関わるとみられる貨物船が、中国の港に出入りしていた。中国政府が寄港を許可していたとすれば、国際社会から制裁義務履行違反だという批判の声が上がりかねない。

中国の度重なる制止にもかかわらず、北朝鮮が核実験やミサイル発射実験などの挑発行為を続けたことで、習近平指導部が対北政策を全面的に見直すとの観測は以前から流れていた。

国有大手の中国銀行は昨年5月、北朝鮮の貿易決済銀行である「朝鮮貿易銀行」に対し、取引停止と口座の閉鎖を通知。同9月には、核兵器など大量破壊兵器に転用可能な物資や技術の対北禁輸措置を始めた。

中国外務省の洪磊報道官は当時、「中国が確実に国連安保理決議を履行する態度を体現している」と国際社会にアピールしていた。今年に入ってからも、北朝鮮に対する原油の輸出も停止するなど、表向きは締め付けを強化していた。

しかし、中国税関総署が7月に公表した統計によると、中朝の今年1~6月の貿易総額は178億元(約2926億円)。前年同期比4・0%減とはいえ、経済的なつながりは維持されている。

昨年12月の張(チャン)成(ソン)沢(テク)氏処刑を境に中朝関係は冷え込んだとされる。北朝鮮が日本と接触するなど中国からの離反をちらつかせる中、朝鮮半島が絡む安全保障上の観点から、北朝鮮を切り捨てられない中国の“限界”が浮かび上がる。

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