「罪は大きすぎる」

縁側「朝日は国際版を世界にまけ」

朝日新聞の慰安婦報道の検証記事をめぐり、橋下徹大阪市長が「国際版を刷り、世界に配信を」と批判を強めている。

長年にわたり「強制連行」の誤報を認めなかったことで日本への不当な評価が広まったとして、「どこまで日本を侮辱するのか」と断罪。怒りの背景には、自身の慰安婦発言の際に朝日が批判の急先鋒(きゅうせんぽう)となり、米国でのバッシングをたきつけられたという思いもあるようだ。

「罪は大きすぎる」

「産経が頑張って、しつこく事実に基づいて報道し、朝日も逃げられなくなった」。6日、橋下氏はこう口火を切り、約20分にわたり朝日批判を展開した。

検証記事で「虚偽」と断定し、報道から32年後に取り下げた吉田清治氏の「慰安婦を強制連行した」という証言。橋下氏は朝日の大々的な報道で世界的に「慰安婦=性奴隷」が定着、慰安婦像設置の動きが広がったと指摘し、「朝日の罪は大きすぎる」と断罪した。

産経新聞は過去に吉田証言を報じたが、その後の取材で証言は「虚構」「作り話」と繰り返し報道。しかし、朝日は検証記事で産経の当初の報道を掲載し、他の全国紙も同様に報じたことに詳しく言及した。

橋下氏は「言い訳に満ち、検証記事が台無し。読んでいて不快」と切り捨てた。怒りの根底には苦い経験がある。

「朝日がたきつけた」

「当時は世界各国の軍が必要としていた」。昨年5月13日、橋下氏は慰安婦問題について見解を述べて国内外の批判にさらされた。当時、橋下氏は批判の急先鋒だった朝日に対して「米国務省の声を引き出し、『アメリカ政府が騒いでいる』とやった」と不快感をあらわにしていた。

同月16日、国務省の報道官が記者会見で「言語道断で侮辱的だ」と批判。米政府高官が強い言葉で公然と不快感を示したのは初めてだったが、これは朝日記者の質問に答えていた。

「性奴隷ですか、慰安婦ですか」。朝日記者はさらに呼び方について見解を迫り、報道官に「われわれは過去に慰安婦と表現した」とかわされた。会見のやりとりを聞いた橋下氏は「朝日記者が性奴隷という言葉を使った」と憤っていた。

その後、視察予定だった米サンフランシスコ市から受け入れを“拒絶”する文書が届き、視察中止を決定。苦境が続いていた。

「本気なら世界配信を」

姉妹都市の米グレンデール市に慰安婦像が設置された大阪府東大阪市。グレンデール市のホームページに東大阪市が設置に賛同したかのような虚偽の記載があったとして抗議文を提出し、市議が像撤去を求めるなど摩擦が起きている。

「橋下氏の批判はもっとも。検証記事掲載だけで、次にどうするかを提示しない幕引きには納得できない」。市議の1人は憤る。

橋下氏は7日夜、朝日に要求した。「日本国民、子供、孫に汚名を着せた。朝日が本気なら、赤字覚悟で(検証記事の)国際版を毎日刷り、『強制連行はなかった』『性奴隷はやめて』と世界各国に配信するしかない」

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