国産ウナギ

画像の説明 猛暑を跳ね返す食事と言えば、ウナギの蒲焼きです。

不思議なもので、ウナギを食べると、食べ終わった直後から、なにやら目がシャキっとして、視界も明るくなるし、それまで暑さでうだっていた身体が元気になります。

そんなことから我が国では古来、7月の土用の丑の日にウナギを食べる習慣があります。
もともとの由来は江戸の発明家の平賀源内で、商売がうまく行かない鰻屋(うなぎや)が、夏に売れないウナギを何とか売るにはどうしたらよいかと源内に相談に行ったところ、源内が、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。するとその鰻屋は大繁盛して、他の鰻屋も真似るようになったのだそうです。

ちなみに平賀源内、竹とんぼを発明したり、エレキテル装置で静電気を放出したり、発明から浄瑠璃の原作まで幅広くこなした人で、
京都三条 糸屋の娘 姉は十八 妹は十五
諸国大名 弓矢で殺す 糸屋の娘は 目で殺す
なんていう戯れ歌も、平賀源内の作品なのだそうです。

もっともあまりお金には縁がなかったようで、平賀源内という名前も、もとをたどせば冗談混じりに「貧家銭内」をもじったものなのだそうです。

我が国でウナギを蒲焼きにして食べるようになったのがいつ頃からなのかは、よくわかりません。
万葉集では、大伴家持が戯れ歌に、「夏痩せに、よしといふものぞ、鰻(うなぎ)とり食(め)せ」と詠んでいますから、相当古くから食べる習慣はあったものと思います。
どのような食べ方だったのかまではわかりません。
大伴家持の時代は、まだ醤油がありませんので、おそらくは白焼きであったものと思われます。
歌には、ウナギが「夏痩せによい」とありますから、当時から精のつく食べ物とされていたのでしょう。

ウナギを串焼きにして食べることが普及したのが、実は、家康の江戸城普請です。
当時の江戸は、広大な湿地帯で、たくさんの野生のウナギがいたのだそうです。お城の普請は、とてもスタミナを使う仕事ですが、そこで白普請の人足さんたちが、貴重なタンパク源として、精のつくウナギを食べたのですが、このとき、ウナギをぶつ切りにして串に刺して焼いて食べたのだそうです。

そしてこのぶつ切りが、まるで蒲(かば)を割いたような姿だということで、ウナギの串焼きが、「蒲焼き」と呼ばれるようになりました。

ちなみに蒲焼きにつかうお醤油(しょうゆ)は、日本で最初の醤油屋さんが誕生したのが、織田信長が生きた時代の1580年頃で、場所は紀州(和歌山県)の湯浅です。
これがまたたく間に普及して、天正16年には、紀州から100石(約18000L)のお醤油が大阪に送られたという記録が残っています。

そしてこのころには大阪の町人衆の間では、お醤油はすでに日用品となっていたそうなのですが、ところが関東には、醤油は伝わっていたものの製造には至らず、上方(関西)から運ばれてきたものを使っていたのだそうです。

都から運ばれることから「下りしょうゆ」と呼ばれ、珍重されていましたそうです(しょうゆ情報センターより)。

関東で醤油が造られるようになったのは、元禄から享保年間で、上方からの「下りしょうゆ」が薄口なのに対し、関東風は「濃い口」での醤油が発展しました。

ということで、江戸城普請の頃は、まだウナギは蒲焼きにしていたけれど、醤油の味付けはなかったわけで、これに醤油を塗って焼くことで、醤油の焦げたえもいわれぬ良い香りのするウナギの蒲焼きになったのは、享保年間(1716~1736年)のことなのだそうです。

そのウナギは、出前のときに冷めないようにと、どんぶりにフタがかぶせられるようになって、ここから「重箱」で食べる習慣がはじまっています。

こうして食べられていたウナギは、ずっと野生のウナギだったのですが、これが養殖されるようになったのが、明治24年、浜名湖が最初です。

国産の養殖ウナギは、県別の生産量は、鹿児島、愛知、宮崎、静岡、高知の順で、年間の国内生産高は約2万トンです。
ところが、国内で消費されるウナギは、年間15万トンです。
つまり、12万トン足りない。

その足りない分が、輸入で補われてるのですが、輸入先となっているのが、支那、台湾、ベトナム、タイ、マレーシアなどです。

問題は、その中の支那産のウナギで、支那産のウナギは、実に肉厚で厚さが15mmくらいあったりします。
何も知らなければ、値段も安いし、肉厚だし、いかにもお買い得という感じです。
けれど問題は、支那産のウナギが「なぜ肉厚なのか」です。

なんとウナギの養殖沼に、10cmくらい成長ホルモン剤を敷き詰めてウナギを成長させているのだそうで、おかげで、育てたウナギは、まるまると肥える。
さらに養殖沼には、孔雀石緑(マラカイトグリーン)と避孕剤(ピル)を大量に水中に投薬します。前者は稚魚の病死予防薬で、後者は成長促進剤です。いずれも発がん性物質として、日本ではいまでは食用に禁止されているものです。

あまりに危険なウナギとなることから、現地の支那人たちは、自分たちが養殖したウナギを決して食べません。それでも現地では、6歳の子供にヒゲが生え、乳が膨らみ、続々と奇形児が生まれています。

そんな危険な支那産ウナギが、続々と日本に輸入され、超肉厚の格安ウナギとして売られているわけです。

通関では、抜き打ち検査をするのですが、検査をすると支那産ウナギは、毒物混入とのことで、たいていひっかかってしまいます。
支那人たちは、ひっかかった荷物を、素直に下げるのですが、翌日の荷物で日本に陸揚げしてしまいます。
要するに検査が抜き打ちで単発なので、その場だけひっこめれば、あとでいくらでも日本に陸揚げできるのです。

ちなみに支那の2010年の統計資料によりますと、同年に中共から輸出されたウナギは、3万6485トンで、このうちの64%にあたる2万3370トンが、日本向けの輸出です。
さらに生きたウナギの輸出量は8672トンで、うち70%に相当する6116トンが日本向けです。

もうひとつ余計なことを書くと、支那で育てられているウナギのエサのことです。

ウナギは雑食なので何でも食べますが、肉などの栄養価が高いエサを与えれば、ウナギは大きく太ります。
ところが、牛や豚や鳥などの肉は、人も食べますから、値が高い。
そこで何を食べされるかというと、人の屍体なのだそうです。
日本と違い、支那では遺体の尊厳という概念がありませんから、死ねば、人もただの肉のかたまりです。
そして、人が食用に買わない分、値も安い。
そこで人間の屍体を買ってきて、養殖池に、いちにのさんで、放り込むわけです。
すると水面が盛り上がるようにウナギが束になって遺体に襲いかかり、あっという間に骨までたべてしまうのだそうです。

たとえどんなに安くても、私は、そんなものを食べようとは思いません。
食べるなら、国産ウナギを!!
そして支那産ウナギには、厳格な検疫体制を!!
というか、支那産ウナギは、輸入禁止にしてもらいたい、ということを、実は昨年のちょうどこの時期に、このブログに書いたのですが、それなりの影響があったらしくて、支那産のウナギは、昨年はスーパーでもずいぶんと売れ残りが目立つようになりました。

ところが、今月12日に、とんでもないニュースが飛び込みました。
世界の野生生物の専門家などで作るIUCN(国際自然保護連合)が、12日に日本ウナギを近い将来絶滅する危険性が高いとして「絶滅危惧種」に指定し、レッドリストに掲載したというのです。

レッドリストに法的な拘束力はないものの、絶滅危惧種のリストとしては世界で最も権威のあるものとされるため、ニホンウナギが掲載されたことで、今後、国際的な取り引きの規制など保護を求める世論が高まる可能性もあるといいます。

こうなると、国産ウナギは、おいそれとは食べれなくなる。
すると日本人は、支那産のウナギを食べるようになる。あるいは支那産ウナギを食べろということなのでしょうか。

このIUCNのレッドリスト登録が、あまりにもタイミングが良すぎると思うのは、実は今年の4月に、農林水産省の外郭法人である「水産総合研究センター」が、「ウナギの稚魚の完全養殖に成功した」と発表したばかりの出来事なのです。

そもそも国産ウナギが高騰し、需要に対して供給がまったく追いつかなくなった原因は、養殖するためのウナギの稚魚について、完全に天然資源に頼っていたことが原因です。
つまり、ウナギを卵から稚魚に育てることができなかったのです。
卵の孵化実験に成功したのは、2002年のことですが、まったく量産ができない状態が続き、ずっと試行錯誤していたものが、ここにきて、ようやく量産化の目処がたとうとしはじめたのです。

もともと、ウナギの稚魚は、お酒を飲むときに使うおちょこ一杯が、2千円くらいでした。
ところが近年では、天然稚魚の捕獲がむつかしくなっていて、おちょこ一杯が20万円とかするようになっていたのです。
だからウナギは値段が高騰したし、国産ウナギの数が少ないから、支那産のウナギが輸入されたりしていたのです。

ところがその支那産ウナギが、どうやら非常に危険なものらしいということがわかると、なぜかタイミングよく、IUCNが、日本産ウナギを絶滅危惧種に指定したわけです。

支那との関係で、何かあったのかと、嫌味のひとつも言いたくなりますが、日本人にも問題があります。
乱獲し、数が減って需要が間に合わないからと、易々と支那産ウナギに手を出した。
儲かると思えば、なんだってする連中なのです。
そういう民族性をちゃんと考えずに、やみくもに輸入をし、検疫体制さえも、簡素化したままにしている。

日本人を守るのも、日本ウナギを守るのも、等しく日本人の責任です。
美味しい国産ウナギを、社会全体としてちゃんと保護し、育てて行く。
国も、国民のために、国産ウナギの卵からの孵化や、稚魚の育成に予算を投じてこれを育てて行く。
そういう国民と国家両方の運命共同体の共通意思として、国民の健康と食を守るという感覚を、わたしたち日本人はいまいちど、しっかりと考え、根付かせていかなければならないと思います。

ちなみに、台湾でも、日本ウナギが養殖されています。
こちらは、安全なウナギなのだそうです。
支那と台湾の国民性の違いでしょうね。

それにしても、うな重、食べたいなぁ。。。
もうまる二年、食べてないです(涙)。

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