セクハラやじで分かれた明暗

朝顔 “悲劇のヒロイン”塩村氏は「国政進出も」 

かたや世界が注目する悲劇のヒロイン、こなた差別意識まるだしの女性の敵-。東京都議会のセクハラやじ問題で、みんなの党の塩村文夏都議(35)と、自民党の鈴木章浩都議(51)が全国区の“有名人”に押し上げられた。明暗がくっきりと分かれた形だが、2人は今後どんな命運をたどるのか。

東京都議会は25日、6月議会の最終本会議を開き、最大会派の自民などは、鈴木氏以外のやじ発言者が名乗り出るよう求める決議案を否決した。

「私は私ができることをやっていきたい…」

塩村氏は25日、記者団にこう語り、悔しそうな表情を浮かべた。だが、24日には外国人特派員協会に招かれるなど、海外メディアからも関心を集める存在になった。

グラビア女優、エッセイスト、放送作家、そして都議…。順調? に出世の階段を登ってきた塩村氏はさらなるステップアップを果たすのか。

政治評論家の浅川博忠氏は「日本人は判官びいきなので、いじめられた者に対する同情票も集まって次の選挙では圧勝するだろう。政界再編の行方次第だが、党の広告塔として国政進出の可能性もある」と指摘する。

とはいえ、脚光を浴びたがゆえの有名税なのか、過去の奔放な言動もクローズアップされる事態となっている。

都内の短大在学中に本格的に芸能活動を始め、当時は体当たりの仕事にも挑戦している。

1997年には、ビートたけしが司会を務めるバラエティー番組の名物コーナー「熱湯コマーシャル」に出演し、ビキニ姿で熱湯風呂に入ったことも。グリーンのビキニ姿でバスト84センチのDカップを披露し、熱湯風呂は2秒でギブアップしたが、身体を真っ赤にしながら写真集をPRした。

インターネットなどで注目されているのが、2007年に出演したバラエティー番組「恋のから騒ぎ」での強烈な発言の数々だ。

「今まで付き合った人は慰謝料をくれた。(慰謝料は)1500万円」と自慢したり、エープリルフールに彼氏に妊娠したとウソをついた話などを披露。大物ミュージシャンと交際していたときには「ホテルのロビーで待っているファンに、ニコっと笑いかけた」とあけすけに恋愛話を語っていた。

当人は周囲に「最年長としてキャラクター作りが大変だった」と話してしているようで真偽は不明だが、騒動で恐ろしい“過去”が蒸し返されてしまった。

だが、前出の浅川氏は「『この人は被害女性』ということになると、ネガティブキャンペーンを張られても同情を買える」と太鼓判を押す。

一方、“犯人”となった鈴木氏は、今後どうなるのか。

「鈴木氏はとにかく選挙に強い。次の都議選は3年後なんだから、そのころに今回の件は忘れられているだろうから大丈夫だろう」

都選出の国会議員はこう話す。だが、浅川氏は「次の選挙は、有力な対抗馬をぶつけられたら、当選するのは難しい。彼は自民党東京都連の幹部候補生だったが、その可能性も低くなった」と指摘する。

身から出たさびとはいえ、将来を嘱望されながら転落してしまった鈴木氏。明るい未来が待ち受けているかもしれない塩村氏。1つのやじが2人の政治家人生を大きく変えそうだ。

コメント


認証コード4532

コメントは管理者の承認後に表示されます。