不気味な激減、

画像の説明 中国政府系ファンド、大株主から姿消す 

自国リスクへの備え? 名義変更?

中国の政府系とみられる投資ファンドの名前が、企業の上位株主から次々と姿を消している。3月末で22社と、1年前の174社から激減。把握できる投資額も1279億円と、ピークの30分の1以下に縮小した。「影の銀行(シャドーバンキング)」問題など自国経済のリスクに備える動きとの見方がある一方、名義を変えただけとの観測もあり、全容は謎のままだ。

ちばぎん証券(千葉市)が、10位以内の株主に中国政府系とみられる「OD05オムニバス」などが入った上場企業を集計。投資額は平成25年3月末に4兆円を超えていた。

25年9月末に大株主だったが、今回名前が消えた企業はキヤノン、ソニー、ソフトバンク、花王など。ちばぎん証券の安藤富士男顧問は、「株価が上昇したところで売却した可能性がある。他の投資に回したか、現金化したかはわからない」と話す。

OD05は信託名義で実際の投資主体は不明だが、市場では「中国投資(CIC)」などの政府系ファンドだとみられている。中国では、簿外融資や高利回りの財テク商品など「影の銀行」問題があり、不動産バブルの崩壊懸念もくすぶる。こうしたリスクに対処するために、資金を引き揚げたとの観測もここにきて浮上している。

一方、「大量の株が売買された形跡がない」(RFSマネジメントの田代秀敏チーフエコノミスト)として、名義変更との見方も根強い。OD05が大株主から消えた企業の多くでは、新たに「バンクオブニューヨーク」など他の信託名義が登場。名義変更の理由として田代氏は「金融当局との関係などを考慮し、オーストラリアだった所在地を新名義のベルギーに移すためだったのではないか」と推測する。

中国の政府系投資ファンドの行動は、政治問題とは一線を画してきたが、これまでの習近平政権の対日強硬姿勢もあって、市場から不気味な存在とみられている。

コメント


認証コード6157

コメントは管理者の承認後に表示されます。